スキルとは
ゲームやラノベなどで良く使われるスキル。
それが身につくと、いきなり達人になったり、翼も無くても飛べたり、他人から奪えたりと、様々だ。
作品によっては、ピンチのタイミングで逆転できるスキルが覚醒する。そんな御都合主義なのもあるな。ちなみに、私は御都合主義肯定派だ。
おっと話が逸れたな。
この世界におけるスキルの認識は、
『神より与えられる愛の証』だ。
これには教会が流布している創世神話が関係している。
それにより、スキルは神より与えられる物とされている。
また、スキルの数とそのレベルの高さは、そのまま愛の大きさを表すと考えられている。
その神についてだが、名は無く、どのような姿なのかも伝わっていない。その為、色々な宗派が存在している。
しかし、スキルに対する教えのみは、一致している。
・・・バカバカしい。
自分はこの「愛されている証」という認識が、間違っていると言わざるおえない。
なぜなら、人はスキルを与えられる前から、そのスキルの片鱗は現れ、スキルが無くても努力次第で能力を身につけられるからだ。
更にスキルの数とレベルが愛の大きさを測る基準とされる為、何の罪もない子供が、10歳の儀式でいきなり人生が確定してしまうのだ。
そんなのは納得ができない。
できる訳がない。
昨日まで暴れん坊で、迷惑ばかりかけている問題児が、明日には英雄扱いになり、
昨日まで優しく、お年寄りにも気の配れる子が、罪人のように見下される。
たったスキルがハッキリしただけでだ。
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こういう考え方ができるのは、前世の記憶があるお陰だろう。正にゲーム、ラノベ、サブカルチャー万歳である。
しかし、この考え方は、この世界では少数派。
むしろほぼ無し、皆無である。
その最大の理由は、情報の不足だ。
この世界の情報の伝達は、基本、人の足だ。
行商人や旅人、教会の人や役人、傭兵。そういった人達が街や村を回った結果、伝えられるのだ。
伝えられる内容は、伝言ゲームの様に途中でネジ曲がり、正確性もあやふやで、時系列でさえ目茶苦茶だ。
そんな中で最も正しいとされるのが、教会からの教えだ。
本当に恐ろしい世界だ。
そして、その世界の常識が、「教会の教えは正しい」だ。
その教会の教えが、「スキルは、『神より与えられる愛の証』」なのだ。
では、私が考えるスキルとは何か?
スキルとは、単に才能の明確化だ。
あなたには、この分野に才能がありますよ。と、お知らせしているだけなのだ。