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ゲボッウァー

ザザーン、ザザザーン


「うぉぇー、おえー」


気持ちの良い青空と、何処までも広がる海原。心地好い潮風を受けて、爽やかな気分の横でアリオスは吐いていた。


船酔いである。


シュウと赤竜の爪のメンバーは、ラミア族の住む島に向かって、航海を続けていた。


「オーイ、大丈夫かぁ?狩人ってのは!案外ダラシねぇなー」


ランデル商会から派遣された船乗りのコールドスは、中型のヨットを器用に一人で操っている。操舵スキルと風魔法スキルを持つ船乗りになる為に生まれた様な犬の獣人だ。


顔は完全にビーグル犬で、パイプをくわえているのだが、そこに不自然さを感じるのは、自分しかいない。


「旦那方、見えてきましたぜ、あの断崖絶壁に囲まれた島が、目的のラミア達の住む島、キーホズ島でさぁ。島の東側に入れる入り江があるんで、その近くまで行きまっさぁ。その後、ボートで運びまっさぁ」


到着し、入り江の海岸に降り立つ。


うぅ、地面が揺れる・・・


コールドスは船をやや沖合に留めると、備え付けてきたボートにメンバーや滞在中の食料などの荷物を海岸に運搬した。


海岸はとても美しく、隠れ家的な別荘には最適に見えるが、駄目な理由が在るらしい。


「満潮時には、この辺りまで水が来るので、注意してくだせぇ。あと奥の森には注意してくだせぇ。毒性の強い虫に植物が多いので。」


なかなかデンジャラスらしい。


「んんー、やっぱりオカシイでさぁ。」


「何がだ?」


「いんやぁ、静かすぎるんでさぁ。取引のあるラミア族でも警戒心が強くって、知らないのが来たら威嚇して来るんでっさぁ。なのに、まだ何も来ないのでっさぁ。」


「なるほど。どうやら、それを含めての調査になりそうだな。これは報酬を弾んで貰わんとな。」


「ガッハッハ、ちげーねぇ。そいじゃぁ、そろそろ行くっさぁ。じゃぁ、2週間後にまた来るっさぁ。」


「ああ、ありがとう。それじゃ、2週間後に」


2週間も酒が飲めない事実にうなだれる酒乱エルフのユーリナに、帰り際のコールドスは「ラミア族の酒は美味いらしいでっさぁ」と爆弾を落としていった。


俄然やる気になったユーリナは、今だ船酔いから復活出来ないアリオスを蹴り上げる。


ゲボッウァーーーーーー

「うっ、お助け・・・」・・・・・・バタッ




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