第三十四話 魂の記憶 2
エリーゼがレンの手を引いて来たのは隣の部屋、ピアノの白鍵を持ち上げて隠し階段の仕掛けを起動させる、行き先はクローゼットの中にある隠し階段だった。
「ここは、昨日入ったけど?」
「いいからいいから」
そう言われてエリーゼと一緒に隠し階段を下ると、下りきった所で松明の仕掛けが起動し周囲を明るく照らすと、前回来た時とは違う構造になっていることにすぐ気づいた。
(ずっと一本道だったはずなのに、途中で分かれ道がある)
それはまるで地下迷宮、ダンジョンと言ってもいいだろう、部屋の地下にこんなものを作ったのか、それとも元々あったのだろうか思うとその上に家を建てるという発想は吹っ飛んでいるとしかいいようがない。
「前来た時とは構造が変わってるけど、もしかしてエリーゼちゃんがやったの?」
「ううん、ここは一人前になる為の修練の場なの、前来た時のはラン様がアンタの為に作ってくれた特別なお部屋よ」
レンはそっと目を閉じてみる…奥に何かしらの動く気配を感じ取った。
「えっと、もしかして攻略しないといけないの?
「んー、お昼前になったら戻るから、無理しないでいける所まででいいよ」
レンは懐にあったソーサリーナイフをベルトの後ろの腰にかけ、いつでも抜けるように準備をし歩を進めると歩き始めてすぐに分かれ道に直面した。
(左か、まっすぐか、それとも右か)
正面は広い部屋が見えた、大赤蜘蛛と戦ったくらいの大きさぐらいだろうか。
(いきなり出てきたらと思うと怖いかな…左に行こう)
進路を左に向け少し進むとまた分かれ道になっている、少し先には小部屋が見え、右に曲がる道は先が長くて何があるかはここからでは見えない。
レンはまっすぐ進み小さい部屋に入ると、そこには木の宝箱が中央に一つ置いてあった。
(宝箱だ、そういえばブラッキーがミミックの罠には気をつけろとか言って小石を投げてたっけ)
なんとなく小石を拾って投げつける、小石が木の宝箱に当たりコツンという音と同時に飛び跳ね、物凄い勢いでレンの方向に向かって走りるように跳ね上がる。
と同時に、レンの右手には黒いオーラを纏ったソーサリーナイフが鞘から抜かれ、宝箱が蓋を開け飛びかかった瞬間に合わせて横に振り抜く。
次の瞬間、宝箱は二つに裂けながら地面に転がってそのまま動かなくなった。




