第二十六話 魔女の系譜 9
(あぁ、身体中あちこち痛い…もうオート機能使うのはやめよう)
石畳の暗い天井を見てレンはそう誓うのだった、おそらくオート機能を使うと身体の消耗とか全て無視して腕や足がもげるとかするまで限界に近いを動きをするのだろう。
「いや、それは多分違うな」
そんな事を考えているとブラッキーが上から目線でレンに向かってそう言う。
(どういうこと?)
「感覚と現実の相違ってやつだろうな」
(感覚と現実?)
「感覚ズレって言えば分かりやすいか?簡単に言えば自分の理想と現実がマッチしないってことだ」
(う、うーん?)
ブラッキーが言うには、ある程度の動きが出来るということはそれ相応の修練だったり経験だったりの下積みがあるということで、感覚的に自分が出来る100%の力で動けたとしても、その土台が出来ていなければかかる負荷に身体が耐えれないからそうなると言う。
「お前、X-codeで何人もの他人での経験があるんだろう?」
(どうだろう、ちょっと思い出せない)
「ゲーム感覚でやってたんだろうが、その中に短剣の扱いがやたら得意なやつとかいたんじゃないか?」
そう言われたが、やはり何も思い出せなかった。
ディナルが使っていたのは長剣だし、それ以前の記憶が思い出せない。
だが、短剣を握ると異常なまでにしっくりと手に馴染む感覚に、レンは少なからず違和感を感じていた。
少しだけ身体の痛みが引いてレンは起き上がろうとすると、アンダーリムが突然機能停止し、今度は目眩に襲われる。
「その短剣、なかなかの代物みたいだが魔力をだいぶ持っていくみたいだな」
魔力枯渇の影響まで出てしまっているらしく、疲労によるせいもあり壁に手をつきながらでないとまっすぐ歩く事すらもきつい。
それでもなんとか部屋に戻ろうと必死に歩いて部屋の入口に辿り着き、地下室出ると同時に隠し階段が消えてしまった。
「地下室で見つけたのは古い本とその黒い短剣か、とりあえずお前の部屋に戻ろうぜ」
ブラッキーに言われてレンは自分の部屋に戻る頃、陽は落ちかけて窓からはオレンジ色の光が差し込んでいる、レンはかろうじて自分の部屋に入ってすぐにベッドの上に倒れてしまった、魔力枯渇に加えて疲弊して肉体精神共に完全に限界を超えていたらしく、すぐに意識が遠のいていった。
次は5月25日に3話アップの予定です。




