第十五話 契約 5
ズドン!っと何かがぶつかるような音と振動が何度も響き、少女は目を覚ました。
時刻はもうすぐ深夜の1時になろうとしている。
(なんだろう…地震?とはちょっと違うような?)
喉が渇きから水を一口含むと再びズドン!っと大きな音が聞こえた。
それと同時に、病室のすぐ側でもバタンバタンと物音が聞こえる。
その音でまだ少しぼんやりとしていた意識がはっきりと目を覚まし、見知らぬ気配に不安を覚え黒猫に助けを求めようとしたがその姿はどこにもない。
(どうしよう、誰かいる)
そして、病室のドアが開き中に背の小さな人影が入ってきた、が、入口を入ってすぐに倒れてしまった。
(えっと、どうしよう…)
少しの間倒れた人の様子を見るが起き上がる気配はなく、呼吸が荒いのがすぐに見て取れた。
すぐに顔を隠していたマフラーを取って見ると、それは苦しそうにしている見たことのない少女の顔だった。
(そうだ!念話なら…クロちゃん返事して!)
(クロちゃんて誰だよ!ていうか起きちまったのかよ!)
頭の中で念じると黒猫からすぐに返答が帰ってくる、念話はどうやら離れた場所にいても会話出来るようだ。
(なんかね、女の子がすごく苦しそうにして今私の部屋にいるの)
(あぁ、さっきのニンゲンか)
(なんとか助けてあげたいんだけど、どうすればいい?)
その瞬間さっきよりも大きな衝撃音が建物内に響き、黒猫からの応答がすぐに帰ってこない。
少しの沈黙の後、再び黒猫から返事が帰ってくる。
(それはきっと呼吸困難ってやつだろう、お前、その子に人口呼吸してやれ)
(え?人口呼吸?そんなのやった事ないよ)
(大丈夫だ!適当にちゅーして息をふーってやればすぐに治るぞ!)
(ちゅ、ちゅーするの!?)
(相手は女の子なんだろ?だったら何も気にすることはない)
説明が適当すぎると思ったがそれ以外にどうしようもないので、言われた通りに人口呼吸を試してみる事にする。
(まずは…ちゅーを…は、恥ずかしいけどこの子を助ける為だから)
女の子と唇を重ねて息をゆっくりと送るように吹き入れる、一回、二回、三回…とやると次第に女の子の呼吸が落ち着いていき、顔色が良くなっていく。
(やり方、合ってたのかな?なんかちょっと…いやだいぶ違うような気もするけど…)
と、安堵しながら女の子の顔色を見ていると周囲の空気が冷たくなっていくのが感じた。
(まずいぞ!そっちに銀髪鬼が向かってる!)
(え!?)
黒猫からそう言われてすぐ、病室のドアが開かれる。
そこには少女の魂を喰らおうとした銀髪鬼が刀を持って立っていた。
ストーリーパートです。
もう少し続きます。




