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おっさんが始める異世界雑記ブログ  作者: ハム男
第3章 ガルシオ獣王国武術大会編
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第24話 受入計画

今日はウェミナ大連山で52個の魔石をゲットしてから3日が過ぎたのだ。

ロキとパメラが2日訓練して、1日休憩するので、セリムを連れて出かけることができるのは3日に一度である。


先日、おっさんの結婚式から1カ月が過ぎ、獣王国の王都に向けて、王国の王都から馬車が出発したのだ。

中には、おっさんらが乗っているということになっている。

おっさんらは乗っていないが、四次元収納Lv2に必要なASポイント10万は貯めることができなかったため、ソドンのハルバート1つと盾1つは馬車で運んでもらうのだ。

王家が馬車とともに、騎士、従者、侍女も載せて出発したのだ。

馬車の上には鉄板を貼ってもらった。

おっさんらが馬車の上に鉄板があれば光が反射して発見しやすいだろうという考えの元である。

一応集合場所の街は伝えているが、許可証がないため、街にこっそり潜入しないといけない。

移動中の馬車を発見する予定であるのだ。

なので、1か月の道中を1か月半かけて進んでもらい、どの街とどの街の間の道を移動するか日程を調整しているのだ。

おっさんらもあと1カ月半後には獣王国目指して出発である。


今日はフェステルの街にいくのだ。

魔道具屋に、聖教会、フェステル伯爵邸と予定がぎっしりだ。

今回街に繰り出すのは、おっさん、イリーナ、コルネ、セリム、チェプト、メイの6人である。

最近では、次回の予定を言っているので、召喚獣着陸地点で、従者が馬車に乗って待っていてくれるのだ。

毎度、金貨を手間賃で配るおっさんである。

おっさんが手間賃で金貨を配るので配送係がフェステル家の従者の中で取り合いになるのである。

月給金貨2枚の従者が1日仕事したら、おっさん配送手当金貨1枚が付くのである。


まずは、魔道具ギルドに向かうおっさんである。

施設用の魔道具は完成までまだ時間がかかるのである。

頼んでから1か月という話であるが、まだ1か月経っていないのだ。

今回魔道具屋を訪れた理由は、魔石を渡しておくためである。

使用する魔道具に使う魔石は加工が必要であるからだ。

魔石を渡して、加工もお願いしておくのである。

30個の魔石を渡すおっさんである。

20個は依頼した魔道具の個数であるが。

10個はおっさんオリジナルの配送魔道具と高温魔道具に使う予定である。


ちなみに2個はコルネの魔導弓の魔石に吸収させた。

ダンジョンに行かなくなったので、魔導弓の魔石が3つほど空になったのでその補充である。

1つのAランクの魔石で矢は200本、発射可能のようだ。

2万人の民が5年間使用する施設用の魔石と、200本の魔導弓の矢が同等であるのだ。

その威力が伺えるのである。



魔道具ギルドへの依頼が終わったので、次は聖教会である。

入るなり神官に声を掛けられるおっさんである。


「これはこれは、お久しぶりです。今日はいかがされましたか?」


羽振りがいい客がまたやってきて喜んでいるようである。

おっさんがやってくると、神官が数名寄ってくるのだ。


「この女性への上級魔法の習得していただきに来ました」


「へ?あ、あの」


この前、魔法を習得させてくれた神官が疑問の声を上げる。


「当然寄付はさせていただきます」


「いえ、前回祈りを捧げて1か月も経っておりません。恐らく魔法の習得は厳しいかと思います」


やんわりと断る神官である。


「これまでに1人も習得できたものがいないということでしょうか?」


「はい」


(まじか、試した人はいそうだけどな)


「習得と手続きはできないということでしょうか?」


「いえ、お金は貴重なものです」


「今回魔法を習得できなければ当面の間は見送ろうと思います。寄付させていただきますので、魔法習得の手続きをしていただけませんか?」


改めてお願いをするおっさんである。


「わかりました」


これ以上神官も断らないようだ。

白金貨3枚を渡すおっさんである。

回復魔法上級、治癒魔法上級、水魔法上級代である。

白金貨2枚、金貨60枚のところ、今回も多めに渡すようだ。

おっさんは検索神以外の信仰はないが、寄付にお釣りをもらうことに抵抗があるようだ。

魔法を習得させるための祈り部屋にいくおっさんである。


(そういえば、フェステルの街で以前お世話になったグラシフさんいないな。異動になったのかな)


前回も今回も聖教会で見かけないサラダボウル頭のグラシフである。


祈り部屋にやってくると、さっそく祈りの儀式をしてくれるようだ。

祈りのポーズを壇上でするメイである。

おっさんらは見守るのだ。

神官が正面に立ち、本を持ちブツブツ何かを言っている。

本が3回光り出すのである。

どうやら上位魔法を習得できたようだ。


「な!?」


神官が驚愕するようだ。


(お、スキルレベルが3つとも2になったで。やはり、習得は問題なかったな。レベル20台で試してみたかったが、まあ仕方ない。さてと、これからだな)


NAME:メイ=ブランカ

Lv:32

AGE:20

HP:273/273

MP:361/361

STR:97

VIT:97

DEX:98

INT:335

LUC:194

アクティブ:料理【2】、水【2】、回復【2】、治癒【2】

パッシブ:礼儀【1】

EXP:43887500


驚く神官達に礼を言い、聖教会を後にするおっさんらである。

メイもかなり驚いているようだ。

さっきから何も話さない。


「メイ、良かったですね」


「は、あ、えっと、ありがとうございます」


「でも、これからですね。聖教会で得られるのはここまでのようですからね」


「え?はい」


漆黒の外套の後ろ姿を見ながら、王国の英雄とはどのようなものか改めて思うメイであったのだ。


市場で買い出しをして、フェステル伯爵邸に行くおっさんらである。

肉は買っていない。

前回の大連山で大量のドラゴンの肉が手に入ったのだ。

魔石とともに持てる限り持って帰ったおっさんらであるのだ。


フェステル伯爵邸に入ると、フェステル家宰のセバスが応接室に案内してくれる


「すいません、お土産を持ってきました」


おっさんは、20個のAランクの魔石とドラゴンの肉の塊10kgほどをセバスに渡すのだ。

フェステルの街での対応や、今後のイリーナの街(仮称)の人員に対してのお礼であるのだ。

お礼はしっかりしていくおっさんである。


フェステル伯爵は昨日、フェステルの街に戻ってきたので食事を一緒にしようということである。



「また魔石を貰ってすまないな。とても助かるぞ」


フェステル伯爵からお礼を言われるおっさんである。

食卓にはおっさんが用意したドラゴンのステーキが出ているのだ。

フェステル伯爵の育ち盛りの子供たちも、もりもりとドラゴンステーキを食べている。

伯爵の子供であってもドラゴンの肉など一生に何度も食べることができるものではないのだ。


「いえいえ、領都の件で大変お手数をおかけしています」


Aランクの魔石はおっさんが1000個近く競りに出したために、1つ白金貨100枚から20枚まで暴落したが、競りをやめて1か月以上たち、また値上がりを始めたのだ。

この魔石の値上がりは、王国の男爵領にも施設規模の魔道具が設置されることが決まったことが影響しているのだ。


「ケイタの領都の件だが、代官のリトメルも恐らくウガル伯爵領からこちらに向かっているはずだ」


フェステル伯爵はおっさんが結婚して30日ほどで、フェステルの街に戻ってきたのだ。

王都からフェステルの街まで8日である。

20日ほどかけて、おっさんの封土、領都について、どのように人員を出していくか、ゼルメア侯爵、ガリヒル男爵、ウガル元伯爵や王都の役人たちと協議を続けていたのだ。

それらがある程度のまとまりを見せたので、王都から帰ってきたのである。


今後の日程について、説明をするフェステル伯爵である。

話を聞きながらタブレットにメモを取るおっさんである。


【ブログネタメモ帳】

・イリーナの街(仮称)受け入れ計画


簡単な資料は後で渡すとも言われるのだ。


1か月後の受入状況

・代官リトメル一家(男爵家)

・副騎士団長とその一家(元ウガル騎士団長40歳男爵家)

・従者20人

・役人20人

・騎士10人

・兵50人


3か月後の受入れ状況

・町民受入200人

・冒険者受入100人

・従者20人(計40人)

・役人20人(計40人)

・騎士10人(計20人)

・兵50人(計100人)


半年後の受入れ状況

・冒険者ギルド申請

・町民受入300人(計500人)

・冒険者受入200人(計300人)

・従者30人(計70人)

・役人30人(計70人)

・騎士40人(計60人)

・兵300人(計400人)


1年後の受入れ状況

・その他ギルド申請

・町民受入1000人(計1500人)

・冒険者受入200人(計500人)

・従者30人(計100人)

・役人30人(計100人)

・騎士40人(計100人)

・兵300人(計1000人)


(街ができたばかりか、町民より兵や冒険者の受入れを優先させた感じか。ある程度街が形になるまで、町民の受入れは抑える感じなのかな。ん?)


「副団長はウガル領からくるんですね」


「うむ、現ウガル騎士団長を副団長として出すと言われてな」


フェステル伯爵としては、内政の代官がウガル伯爵領からくるので、騎士団はフェステル家とその一派で固めたかったのだ。

しかし、フェステル伯爵領は現在拡大の一途をたどっているのだ。

冒険者の要塞に新しく副騎士団長を配置したばかりなのだ。

クルーガー家も長男リーレルが騎士院を卒業したばかりで、副騎士団長は務まらないのである。

副騎士団長も務めたことないロキを騎士団長にしたいというおっさんである。

であるなら、副騎士団長は経験豊かなものを選ぶことが、おっさんの領であり騎士団の安定につながるのだ。

めぼしい人材がいなかったのだ。

騎士団長もしくは副騎士団長の経験のある者を出せなかったのだ。


そこにきてのウガル元伯爵から現騎士団長を副団長としておっさんの騎士団に入れるという破格の提案である。

ウガル伯爵領から西の果てのおっさんの領である。

伯爵領の騎士団長から子爵領の副騎士団長という立場である。

しかもまだ街すらできていないのだ。

ウガル伯爵領も騎士団長しか適任者がいなかったと言えばそうではないのだ。

ウガル伯爵領の騎士団は副騎士団長が3名いるのだ。

そのうち2名は40歳以上のベテランである。

それを差し置いて現騎士団長に決めたのだ。


なぜかといえばリトメル代官の受け入れをお願いしたら、おっさんの領の代官という立場をおっさんは即答したのだ。

ウガル元伯爵の心を強く打ったのだ。

全面的におっさんの領の支援をすると決めたようだ。


(まだ、街作っている途中だけど、グライゼル家も含めて男爵家が3つになるのね)


「そういえば、街はどうなのだ?測量士も派遣して結構に経つが?」


一通り説明をしたので、フェステル伯爵からイリーナの街(仮称)の進捗状況を聞かれるおっさんである。


「はい、街はてん…」


「外壁に、街の中と現在建設中でありますが、街の全容は固まりつつあります」


おっさんが話そうとすると、今まで黙っていたイリーナがすごい勢いで話に入ってくるのだ。

セリムもそれがいいという顔をするのである。


「おお、そうか、さすがケイタだな!」


2日かそこらで冒険者の要塞を作ったのだ。

かなり広く設定した街であるが、外壁くらいは出来上がっているだろうと思ったフェステル伯爵である。

しかし、おっさんに聞いたのにな。

まあ、良いかと思ったようだ。


その後、今後の話を少しして、フェステルの街を後にしたのだ。

もう暗くなったので、泊っていくように言われたがロキ達の訓練があるといい夜の中、イリーナの街(仮称)に帰るのであった。





・・・・・・・・・


ここはどこかの建物の部屋の一室のようだ。

狐の獣人が狼の獣人を従えて、王城の一室を扉から入りまっすぐ進んでいく。

その部屋はとても広く、黄金や赤や緑の鮮やかな原色の宝石により飾られている。

2人の獣人が歩く先には1人の獅子の獣人が胡坐をかいて座っていた。

膝を立て、昼飯であったのか、骨の付いた大きな肉塊を手づかみに食らっている。

赤身肉を大きな口で骨からこそぎとり、みちみちと音を立てている。

その周りには妻なのか恋人なのか愛人なのか獣人の美女を何人も囲っている。

部屋の中央奥に座るその獣人にお酒を注いで上げているようだ。

部屋の両端も食事中のようで、犬や猫、鼠など様々な獣人達が肉を食らい、酒を飲んでいた。


「おう、戻ってきたか。思ったより早かったな!」


「は!ただいま戻りました」


獅子の獣人の一声に、狐の獣人が代表して答えるようだ。

2人の獣人は獅子の十数歩前で跪く。


「それで、どうだ?魔導士ケイタの結婚式は」


「は!王国を挙げての盛大な結婚式でした」


「まあ、そうだろな。何百年も未踏のダンジョンを1年かそこらで攻略してのけたんだからな。まあ、余の国にはそんな悠長に未踏のままのダンジョンなんてないけどな。で?武術大会はどうなんだ?」


「それにつきましては」


狐の獣人が武術大会について、おっさんの仲間が2人参加する経緯を説明する。


「ダンジョンを1つ攻略したごときで招待券を2枚よこせとは!!」

「王国最強の槍使いだと!よほど調子に乗っているようであるな!!」

「弱小な人間種族ごときが勘違いをしているようですな!」


狐の獣人の報告を聞いて部屋の両端を座る獣人達が騒ぎ出す。


「がはははは!2枚寄こせか!これはいい!よいぞ!!」


狐の獣人の正面に座る獅子の獣人が非難の声をかき消すように、大きな声で笑いだすのだ。

誰もその笑いを止めようとしない。

獅子の獣人の2言目を待つ獣人達である。


「おい!財務大臣!!」


2言目は財務大臣であった。

呼ばれて慌てて返事をするカワウソの獣人である。


「何でございましょうか?」


「2年前は終戦宣言で開催できず、去年も金が足りず、しょっぱい武術大会になってしまったな。今年こそしっかりとした武術大会を開けるんだろうな?」


「も、もちろんでございます!予算も十分にあります!しっかり獣王国全土に告知させていただいております」


「おう、ダパルコがAランクの魔石を100個以上持って帰ってきたおかげだ」


そう言うと部屋の隅にいた鼠の獣人が頭を下げるのだ。


「そ、それで今年はシングルだけでなく、ダブルまでも我が国の招待に了承を得ておりますが?」


狐の獣人が、獅子の獣人に尋ねるようだ。


「王国はダンジョン攻略の英雄2人も出場するんだろ?他の国もそれくらいじゃないと、盛り上がれねえだろうが。それら全てねじ伏せてこそ、我ら獣人の力を示せるというもんだろ?」


「たしかに」


今まで黙っていた狼の獣人が、ニヤリと笑みを浮かべ答えるようだ。


「どうやら余は、レオルフレイド=ヴァン=ガルシオは獣王になるべくしてなったようだな!魔石も王国も武術大会も全てが余の思いのままに動いておるぞ!!」


その発言によって獣人達は皆、頭を下げるのだ。

今年の獣王武術大会は予算も潤沢で盛大に行うようである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おっさんの片手間の稼ぎのおこぼれ持ち帰ってホクホク言ってる獣王国から漂うかませ臭 って思ったら既に書かれていた件 [気になる点] おっさんが仲間支援魔法を使わなければロヒティンスに苦戦して…
[一言] 獣王国のダンジョンは踏破済みなのに、 Aランクの魔石すら碌に集める事が出来ない弱い国なのに Aランクの魔石を数千も集めた山田達一行を下に見ている時点で獣王国の程度が分かる。
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