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おっさんが始める異世界雑記ブログ  作者: ハム男
第3章 ガルシオ獣王国武術大会編
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第20話 1期生

ここは1k8畳の賃貸マンションである。

パンツ一丁のおっさんが黙々とブログを起こしていた。


「自分の街を作るなんて、異世界ものの醍醐味過ぎるな。まあ、嫁の街だけど。それこそあるあるだな」


異世界ものでは、自分の恋人のために城や街を作る作品も多いのだ。

異世界にいったら、作ってみたいものベスト3であるのだ。

愛妻のために街を作ることこそが異世界ものであると言ってもいいのだ。


「さて、ブログも5個起こしたぞっと」


街づくり編

第126記事目 街づくり ~実地調査編~

第127記事目 街づくり ~開墾編~

第128記事目 必要ASポイントと魔力消費の関係

第129記事目 必要ASポイントと魔法の威力の関係

第130記事目 聖教会で魔法覚えようとしてみた


PV:596619

AS:57318


「メイを号泣させてしまったな」


魔法を習得させた日のことである。

聖教会で号泣してしまったメイをなだめて、食材や生活道具等を買ってイリーナの街(開墾中)に戻ったのだ。

戻って、イリーナとメイと3人で部屋に呼んで話を聞いたのだ。

なんでも、アリッサと違い何もできなくてつらかったそうである。

同じ侍女だったのに王国の英雄の1人になったアリッサである。

なぜあの時、自分も手を上げなかったのだろうと。


「そうだな。一緒にウガルダンジョン都市に行ったんだからな。夢をかなえたチェプトとは違うわけだな」


同じくダンジョンに行っていないが、家宰になったチェプトである。


「皆に活躍の場を持たせないといけないな」


コルネがダンジョンの後半で役割が減り落ち込んだ時に反省したはずなのに、改めて皆について考えるのだ。

メイの活躍の場も考えるおっさんであるのだ。


「さて、ブログも起こしたし、ASポイントは貯めておくかな。四次元収納を10万ポイント使って取得するかステータスの底上げをするか、もう少し考えるか。10ポイント以上の上位魔法やパッシブスキルもあるしな」


四次元収納は今のままでは、容量が狭いのだ。

ガルシオ獣王国にはどの程度の荷物を持っていくか、容量を選択するか、ステータスを選択するか考えなくてはいけないのだ。

当然ブログネタの数にも、ブログネタを得られたタイミングによっても変わってくる。

無駄なASポイントは全くない。

異世界に来てからずっとASポイントをやりくりしているおっさんである。


「異世界ものってスキルもレベルもお金も結構初期でインフレして無価値になること多いのに、無駄に全然ならないね。お金も開拓に学校に沢山いるしな。さて、異世界に戻るか」


検索神サイトの扉アイコンをクリックするおっさんである。


『ブログ記事の投稿が確認できません。異世界にはいけません』


「ほう。また、異世界に戻れなかったな」


おっさんは、異世界に行くためには、新たにブログネタにした全ての記事をブログに起こす必要があるのだ。

今回、全て投稿したと思って漏らしたブログのネタがあるのである。


「これは、アレクさん以来だな。ということは、そういうことか」


おっさんの中で、何が登録を漏らしたのか分かったようだ。

さらにブログを起こすのであった。


そして、翌日である。


「よし、もう一本ブログを起こしたぞ」


街づくり編

第131記事目 帝国と魔神


PV:622978

AS:61429


おっさんはあまり暗い話であったり、つらい思い出はブログネタから避けていたのである。

しかし、場合によって、検索神がブログに起こすよう促すものもあるのである。

それは以前、50年前にダンジョンで果てたアレクの話であるのだ。


「これで、異世界に行けるかな」


『ブログ記事の投稿が確認できました。異世界にいきますか はい いいえ』


「ふむ、やはり、魔神ネタは必要であったか。カフヴァンのつらい過去の話になるから、その場でもメモしなかったしな。そうか、アレクさんのように、いつか俺の目の前に魔神が現れるかもしれないのか」


おっさんは『はい』をクリックすると、ふっと目の前の風景が、おっさんが作った土壁の小屋の中に変わるのだ。

イリーナが抱き着いている。

おっさんの守るものを必ず守ろうと心に誓うのであった。


朝食を食べ、今日の活動である。

11人がおっさんの前に集まるのである。


「では、本日よりチェプトは力仕事をしていただきます。私と一緒に開墾ですね。メイはセリムに習って魔力上昇の座禅の作法を習ってください。そして、セリムとメイはコルネの高台で座禅の訓練をしてください。経験値習得のためです」


「「「はい」」」


他のものはいつも変わらないのである。

2日前にたまった丸太と切り株は昨日の晩に全て3体のサイクロプスが片付けたのだ。

夕方過ぎに戻ってきたおっさんらである。

それから、3体の召喚獣であるサイクロプスをセリムに頼んで召喚士、魔力接続で能力を向上させたのだ。

すると、召喚獣の力が一気に上がったのだ。

集めきれていなかった丸太と切り株を片付けてしまったのだ。

余った時間に切り株を引っこ抜く召喚獣である。


(これは、召喚獣の特性を引き上げるんだろうな。力のある召喚獣は力を。空を飛ぶ召喚獣は飛行力を。魔法が得意なら魔力だな。これでまた、活動の選択肢が広がるな)


3日に1度、カフヴァンを召喚せず魔力に余裕がある日に、魔力接続のレベルアップを図ろうと思うのであった。


午前の部

丸太班:イリーナ、ソドン、アヒム

切り株班:おっさん、イグニル、アリッサ、チェプト

片付け:召喚獣

訓練:ロキ、パメラ、セリム、メイ

討伐:コルネ


そして、12時前である。

おっさんとイリーナ、メイとアリッサが集まってくるのである。


「さて、ハンバーグを作ろうと思います!」


「「「はい!!」」」


「それで、どうやって作るんだ」


「それは、これです!」


イリーナの問いに、タブレットを見せて答えるおっさんである。


「なんだこれは、ずいぶんきれいな絵だな」


「写真というものなのですが、この絵と文章のとおりに調理していただきます!」


おっさんは、現実世界に戻ると、あれこれ調べ物をするのである。

サイトの文章をコピペして、タブレットのメモ機能に記録するのだが、今回はハンバーグである。

文章だけでは不安を覚えていたのだ。

そこで、サイトの画面のスクリーンショットをコピペして検索神サイトのメモ機能に貼ってみたら、貼れたのだ。

目から鱗である。

コロンブスの卵である。

検索神のサイトに不可能はないのだ。


「すごく分かりやすいです!」


言葉とやっている様で何となく覚えていく時代である。

細かい分量や調理方法をまとめたものだ。

ちなみに持ってきたのは国内大手の料理投稿サイトである。

もちろん、ダウンロード自由のサイトだ。


【ブログネタメモ帳】

・ハンバーグ作ってみた ~サイトもコピペしてみた~


肉を細かく切り、玉ねぎらしきものを炒めるのだ。

この世界には小麦も玉ねぎもあるのだが、らしきものである。

まじまじとよく見たら若干違うのだ。

鶏もらしきものだ。

卵もハンバーグの繋ぎでいるので買ってきたのだ。


「そういえば、牛乳ってないですね」


「牛乳ってなんだ?」


「四足歩行の馬に似た動物で、その動物の乳です」


「うん?ケイタの故郷では、動物の乳を飲むのか?」


乳は赤子が飲むもの。

ましてや動物の乳など飲まないのだ。


「はい、飲むこともありますが、各種加工をして食べるんですよ」


(チーズやバター的な)


「そうなのか?一部の地域で肉食用に馬に似た動物を飼っていると聞いたことがな。それかもしれないな」


「本当ですか」


「うむ。動きが鈍く、あまり強くない動物らしくてな。高い柵がないと、すぐモンスターにやられて大変とか聞いたな」


(むむ、何か牛っぽいな。モンスターのいる世界だからな。広く安全な土地が必要だからな。家畜はあまり普及していないのかもしれないな)


「ヤマダ子爵様は料理にも詳しいのですね!」


「いえいえ、調べてきただけですよ」


料理を進めながら、感想を漏らすメイである。

料理が出来上がったので、皆ぞろぞろ集まってくるのだ。

肉体労働で皆ハラペコであるのだ。


「これが、ハンバーグであるか?食べやすいであるな」


食べ盛りで1人500g以上あるハンバーグを皆モリモリ食べるのである。

パメラも虎型の獣人とあって、イリーナに負けず劣らず肉が好きなのである。

モリモリ食べるのだ。


「はい、食べやすい料理として、お昼に出しました。皆さんの体は皆さんの食べたものでできていますからね。しっかり食べてください」


どこかで聞いたことのあるようなセリフをどや顔で言うおっさんである。


「そういえば、セリムの講習はどうですか?」


「はい、セリム伯爵には丁寧に教えていただいております」


メイは元気がずいぶん戻ってきたようだ。


「頑張って覚えてください。王国の未来はメイの両肩にかかっていますからね!」


「「「え?」」」


何のことだという顔をするメイである。

皆も何のことだか分からなかったようだ。


「聞いていなかったですか?私は今後、魔導院を作るのです」


「はい?」


まだメイには分からないようである。


「私は、今後、魔導士の卵たちを育てないといけません。しかし、私自身は検索神から力をいただいているので、戦術は説けますが、どうやったら魔導士として成長させたらいいのか現時点で分からないのです」


このままだと宮廷魔術師の訓練の延長のような学校になるのだ。


「なるほど、そこで魔導士の卵としてメイを育てるというわけだな。将来の王国の魔導士ために」


イリーナが話の趣旨をわかったようだ。


「そういうことです。というわけで、例のこれです。ふふふ」


おっさんが怪しい顔をして羊皮紙を渡すのだ。


「こ、これは…」


おっさんの怪しい顔と用途不明の羊皮紙に焦りの顔を見せるメイである。

そして、どこかで見た光景だなとセリムが思うのだ。


「そういうわけで魔導院の生徒1期生のメイ=ブランカさん。あなたには宿題をお渡しします。この羊皮紙に何を訓練したのか。感想や体感も含めて日々日記を書いてください」


「わ、わかりました」


どこかのアイドルグループかお笑い芸人の養成所のような呼び方をするおっさんである。

昼食も食べ、午後の訓練と開墾であるのだ。


ロキを見るおっさんである。

ロキは耐久が上がったが、その分鎧の騎士カフヴァンの攻撃が激しくなったように見える。


(これは、このままだと耐久だけがあほみたいに上がりそうだな。耐久もそうだけど、力や素早さ上がってほしいんだけど)


これはロキの体力が上がっただけでだけでなく、カフヴァンが新たな名前を貰い、再出発をした思いが空洞の鎧の中で芽生えたのかもしれない。


あっという間に夕方になるのだ。


「夕方は何を作るのだ?」


「オートミールです」


本当はリゾットを作りたかったのだが、牛乳もチーズもないので、オートミールとハンバーグである。

オートミールは牛乳や豆乳で作るものもあるのだが、だし汁で作るタイプである。

これは近い料理があるのか、作り方を見たら、料理できるようである。


ふらふらなロキを無理してでも食べさせるおっさんである。

運動後すぐに食べないと意味がないと。

スプーンも持てない疲労で震える手で掻きこむロキとパメラである。


街も訓練も着実に進んでいくのであった。


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