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特選

その終わりの頃、2枚が第1次審査を

通過したと知らせが入った。


やはり、矢がすりの『朱家角のひと

と船着場で早朝描いた放生橋の絵だった。


本庄は喜びで体が震えた。

その報告を受けた夜、いつになく寝苦しく、

あのメイリンの熱に潤んだ引き込まれるような


眼差しが間近に迫ってきて息苦しく、

明け方に目が覚めた。すごい汗だ。


『メイリン、あなたの絵が大きなコンテストで

入選しました。必ず最優秀を取って、

この冬お届けします。待っていてください』

本庄は急に息苦しく咳き込んだ。



9月初めに最終審査が発表された。入選50に

本庄はすでに入ってはいたが、その入選作から

最優秀5品に『朱家角の女』が入った。


大忙しの秋のシーズンが始まった。友人の画廊は

『本庄浩一作品展』を開催した。


地方紙やミニコミにも取り上げられ

友人も奥さんも多忙を極めた。


その秋も終わり、打ち上げの席で、

「そら見てごらん、大成功でしょう」


「いやあ、わしらの目に狂いはなかった。

本庄、おめでとう。これからも頑張って

描きまくってや。これ最優秀と入選の2枚、


返しときます。後はご自由にということやった

から残りは全部わしが買い受けます。

これ今までの売れた分。


経費とマージンは差っぴいてあります、

お受け取りください。ここにサインを」


「あ、はあ。こんなに?」

本庄は中身を確かめもせずにサインをした。


「もうすぐ又上海に向かいますので。

ほんとにありがとうございました」


丁寧にお礼を述べて、本庄は画廊を出た。

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