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スケッチ会

「わかったわ。毎月例会があるから気軽に

来て見て下さい。私も一緒、安心してね」

「わかりました。よろしくお願いします」


「ああ、その時。この秋の作品展のことを

考えておいて下さいね」

「いえいえ、とんでもない」


「中国の水郷地帯をスケッチ旅行してきたと

主人が言ってたわよ」

「そうですか。じゃあ、がんばってみます」


「よろしくお願いします。才能があるって主人

も私も見抜いてるんだから」


本庄は丁寧に頭を下げて画廊を出た。

人物はどうしてもしり込みしてしまう。

本庄は真剣に人物画の色付けを習得したいと


思った。あの理髪店のおかみさんの絵だけは

なんとしても完成させたい。

本庄の一念に熱気がこもってきた。


スケッチの会は50人ほどで約半数の会員が

参加するらしい。画廊の教室を借りて毎月行われる。

若い人もいるが中年以上が多い。


モデルは主に若い女性だ。沈黙の中で鉛筆の音だけが

静かに聞こえる。中に本庄と友人の奥さんの姿も見える。

しばらくして奥さんが眼で本庄に合図した。


二人で教室を出て画廊に入る。奥さんはタバコに火

をつけて一服すると、


「水郷のスケッチを見せてもらって分かったわ

本庄さんの魂胆が」

「魂胆?そうですか」


「すばらしいじゃない『上海水郷朱家角』で出品

してみましょうよ。私も推薦するわ」

「それはどうも」


「あの最後のご婦人の絵をのぞいて、すべて

すばらしく淡い色彩が施されているのに、

人物の色彩に関してはまだ自信が無い。そういうことね」


「そう、そのとうりです」

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