1・2・3・ 三次試験開始ダッーーーー!!
「いいか、よく聞け、試験内容は……………」
な……なんだとっ!……無理だ……あの試験官が外から最小のダメージ弾を放つから、俺らはひたすら避けろってかっ!いくら最小だからといってもその最小の基準も人によって変わる。当たり前だが強い奴のほうがその基準も大きい。そしてこいつは当然強いそんな奴のダメージ弾を避けろだなんて………ん?避けろ?受けろじゃなくて?
「お前ら、実際の戦いにおいて守備とは何だと思う?」
試験官がいきなり俺たちに質問をぶつけてきた。正直そんなもの人それぞれだと思いますがねぇ~
「ひ……ひたすら攻撃を受けて、仲間をかばうこと……ですか?」
少し内面的で『優男』と呼ばれそうな若い男があの試験管の質問に答える。こういうのはめんどくさいから聞き流せばいいものを。
「……………確かに、仲間をかばうのも大切なことであり、間違ってはいない。……しかし、そんなことのために自らの命を引き換えにすることはない!生きてこその人生だ、戦いの任務だ。死んでは例えその戦いで功績を残しても意味はない!……現に隣の弱小国ではさっき お前が言ったような部隊が実際にあるらしい」
……っ!俺がいたところだ……前に戦ったことも加わるだろうが肉壁隊はここらいったいでは有名だった……もちろん、悪いほうで…………もうあそこのことはあまり思い出したくないが……
「二か月半ほど前、ここと向うであった戦いでその部隊の元隊長が死んでいる。むろん仲間を庇ってらし い。その隊長を殺した奴から聞いた話だがな」
「ひょーーう。ということはその隊長とやらを殺した野郎は今頃将軍様か何かですかい」
試験官が話している横からスタイル抜群の男が割って入る。あんまりこういうやつは好きではない。さっさと試験官の弾にあたって落ちてしまえ。
「…………別にそいつの職業が隊長なだけであって、名前は普通にあるらしいぞ。……ついでにさっきのお前の質問の答えだ。確かにその隊長を売ったやつは『姫護衛隊長』という職業についていた」
「ん?ついていた?」
男は両手を頭の後ろにあて、試験管に問い詰める。……しかし、もし俺の記憶が正しければもうその男は……
「しかしその男は半月前、「護衛」途中に何者かと乱戦になって命を落としている」
試験官がそう一言言葉をこぼした。……やっぱりか……そして姫は今もわからずさまよっているはず……
「つまりだ、今の世の中人を守るなんてよくあることだ別に私もそのことに関しては特に嫌悪感は抱いていない。だがそのために命を落とされては仕事にも迷惑だ。そのための試験だ。…………さて、話が少し脱線してしまった気もするがルールを説明する」
やっとですか、まったく。今までのスピーディーな試験はどこに行ったのやら。
「まず一次、二次の合計得点が今のお前らのライフと思ってくれ」
えーーとっ、5+70で今の俺のライフは75というわけだ。それにしてもこれって多いのだろうか?
「だいたいは50~60くらいを持っているだろう。ちなみに40以下はすでに落ちているからいないはずだ」
いよぉ~し‼100点言っていないから大丈夫かなとは思ったが、やはりか‼そもそもこの得点の水準だ低かったのなら俺が一次で5点を取ったのもうなずる…………あの時の得点を聞いてやばいと思って必死に攻撃の練習をしていたなんてことはないが……とにかく、二次に稼げたのは俺にとってだいぶ助かったということだ。よかったよかった。あれ?そういえばあのボンボン一次は20何点とか言っていたよな。ということはあいつ二次は結構な確率で一ケタとっていたということか。あいつ一次では散々俺のことバカにしたくせに……
「ダメージ弾は当たり方によってダメージ量が増減するが、だいたい一発で1~10のダメージを受ける。そしてライフがゼロになると自動的に転送魔法が発生して別の場所(建物入り口)に飛ばされる。まあ失格というわけだ。ここまでで何か質問とかはあるか」
「…………」
しばらくすると試験官の説明がすべて終わり、この試験による質疑応答の時間になった。……とはいっても誰も質問をするつもりはなく黙々と準備を進めている。まぁ当たり前か、質問ですべて間に合っているし、正直こんな時間いらないだろう。
「……ないらしいなそれでは一分後に始めるぞ」
「ち……ちょっと待ってくれ、これはいったいいつ終わるんだ。まさかあんたのエネルギーが尽きるまでとか じゃないだろうな?」
今度は少し日焼けが目立つスタイリッシュな男が不安そうに言う。そりゃそうだ、あんな人の魔法を弱く出すとはいえ、耐え続けるなんて絶対無理だ。
「おっと、合格条件を言い忘れていた、合格条件は「残り十人になること」か「私の魔力がゼロになること」以上の二つだ」
あれ?なんだ、意外と簡単。まあ確かに今まであまり不合格者を出さなかったのに三次で出しまくると不公平だもんな。……ふっ、まったく、向こうも優しいところあるじゃ……
「それでは開始するぞー」
……あぁぁるぅぅぅえぇぇぇ~~。絶対まだ一分立ってないよねぇ。何始めようとしているのこのひとぉ
(おい、そこの「あぁぁるぅぅぅえぇぇぇ~~。絶対まだ一分立ってないよねぇ。何始めようとしているのこのひとぉ」といったやつ。いったい何を言っているのだ?私はあの言葉を口に出してからすでに一分+αは過ぎているぞ)
………あ、なるほどね。あの試験管が最初に一分後に始めると言ってから一分+αが立っているから始めるのね納得納得……じゃねーよ!せめて口で言えよ!直接脳に話が入ってくるから分かるけど、いきなり来たらびっくりするんだよ!
「三次試験開始!!」
…………あれ?この日とこんなに話を急いで進めるような人だったけぇ?……はぁ、まあいいやどうせ言っても無駄だろう。始まってしまった。弾をかわすためには「受ける」「避ける」「相殺する」「逃げる」「仲間を盾にする」何でもありの三次試験が。
モチベが低いって怖いね☆




