落ちるときは落ちるもんだ
*注意*
この物語は一話ごとに私の人格が変わります。
・・・・・・・・・・・。はっ!!!
あ……あれ、ここは……確か俺さっきまで妖精と遊んでいた……じゃねえよ!! 思い出したぞ! 確か隊長が死んで、俺が敵に突っ込んで……敵を押しのけていると思ったら見事にかわされていて、そしてそのまま崖から落ちていったのだった。
「はぁ、……くそう! 結局俺は隊長の敵をうつどころか、敵とほぼ接触することなく前世だったら絶対死んで いるような落ち方をする程度の男なのかよ!! 」
そこからはずっと自分を戒め続け気分がある程度落ち着くと今度は無気力のまま地面に寝ころんだ。
~~~夜~~~
目を覚ましてから何時間たっただろう、あれから俺はここを一歩も動いてない。
「腹、減ったなぁー 」
空には満天の星……が広がっているのだろう。生憎ここからは木々が邪魔をして見事に空が見えない。
どこからか虫たちの大合唱……が聞こえるのだろうが生憎この近くにいる鈴虫の音しか聞こえてこない。前世で聞いたことのある耐久動画を聞いている感じだ。しかも鳴いて居る鈴虫を払うほどの気力もない。結局、気が付くと朝になっていた。
~~~朝~~~
あぁ……今頃、国では隊長の死が話題になっているだろう。隊長もある程度「部下思い」とか「上司にしたいランキング一位」とか言われてそこそこ人気だったからなぁ……そう思えば俺ってラッキーだったかもなぁ…………
お父さんとお母さんもしんぱいだなぁ。あの人ら自分のことはほんとに無関心で人にばっかり気を配って、たぶん俺は死んだとか言われているころだから泣いてでもいるのかなぁ……あれ?そう思えば俺って結構ラッキーだった?……でも隊長が死んだとはいえ自分で壊したんだ、戻ってもいいけど冷遇間違いなしだし、そもそも俺の性格が許さない。そしていまだに目の前で自分の尊敬している人が倒れたのがショックで動くことも困難だ、別に泣き崩れている訳でわないが、なにかこうズシンッとしたものが体にまとわりついている。
シャアアアアアアアア
何かの鳴き声がした方向を向くとそこには蛇がいた。人間の本能なのだろうか「生きたい」という本能なのだろうか、俺は気づくと動かないはずの体が勝手に動いてかば焼きにして食べていた。
やり方は簡単まずは、持っていた剣で蛇の頭を素早く切り落とす。蛇の攻撃手段は噛むことだから牙を折るか、頭を落とすかすれば危険はないからな。次にそこら辺の乾いてとがっている木の枝で皮と内臓を出す。(ここまでは魔法を使ってもよいのだが、普通にやったほうが早い)からこれまた木の枝で残りの肉をさし、簡易の火の魔法で火をおこし、焼く。 以上
そう言えばおとといから何にも食べていなかったからかな、ただの「即席蛇のかば焼き」なのにとてもおいしく感じる。しかしこんなところでも前世の記憶が役に立つとはまさに前世の記憶さまざまだな。
それからは俺はひたすらこんな感じの生活を続けていた。特に何の目的もなくただ……ただ……ひたすら……
~~~二か月後~~~
早いものだ……もう……あれから二か月か…………そろそろ……そろそろ動こうこのまま山で生きるのもよいと思えてくる時期でもあるが、俺はここを出よう。理由なんていらない。………………
そう決まると俺の行動は早かった。何もない状態からわずか一日で出発できる準備が完了した。
「よし、どこに行くかは決まってないが。ここから俺の旅は始まる!森よ!今までありがとう!!また俺が出世した時にここにきてやる!待ってろ新天地。俺が行くまでなぁ! 」
こうして俺は新たなる物語を求めて、山を下りて……
「キャアアアアアアアアアーーーーーーーー‼‼‼ 」
「な……なんだぁ~~ 」
俺が新天地への新たなる一歩を踏み出そうとした時、森の奥のほうから悲鳴が聞こえた。そしてそれとほぼ同時に森の奥から人影が見えた。
人影が近づくにつれ姿がはっきり見えてきた。黒い軍服、赤い帽子、そしてズボンに書かれた[Own stlong win, many weak lose.]の文字‼……間違いない……あいつ、あいつは!あいつは隊長の敵であるクレクト王国の兵士だぁぁ!あ……ん? 俺のほうへ近づいてきた兵士を見て、俺は疑問を抱いた。その兵士はすでにボロボロだったのだ。俺は隊長の教えである「弱きを助けろ」という言葉が頭に響き、気が付くとその兵士のもとへ駆け寄っていた。
「おい!しっかりしろ!何があったんだ!! 」
そしてこの一言とその後の選択で、俺の人生が変わった。
「た……助けてくれ……姫が、姫がさら……わ……れた」 ガクッ




