by 谷口親
先輩に言われた場所に行くと、案の定先輩はいた。
内心……もし いなかったらどうしようなどとおもっていたからだ。俺はこのままボッチのままでいたらハブられるの確定じゃねぇか。
くそっ! そうおもった自分が情けん。
「おーい 先輩」
俺は声をかけた。普通にだ。普通に声をかけたはずなのに……
「うるへぇ!」
信じられん言葉だった。あの先輩がそんな言葉を……ん?
先輩は酔っていたのだった。波pーティーの時に水をガブガブ飲んでるなぁとおもっていたらあれ……酒だったのか。そんじゃまあ 話は早い。
「コンセクト・ヴァリアーナ!」
酔い止めの魔法だ。中学校の魔法科で先生がやっていたのを思い出す。あの時はいらねーじゃんかとおもっていたが、まさかこんな風に使うとはおもっていなかった。
「 ん……あぁ……」
先輩が頭を抱えながらこっちを見て
「あっ……やぁ、来てくれたのかい」
「そちらこそ。酔って何やってんですか」
「う、うぅ……見ていたのかい。あれ、やけに美味しい水だと思ったのになぁ」
俺と大体一緒じゃねぇか。てか先輩まだ顔赤いぞ。大丈夫か?
「あ! そうそう。君の使う魔法は何系が得意なんだい?」
唐突だなおい。話題変えるの下手くそかよ。まぁいいか。
「俺は根っからの防御系です。先輩はなんです?」
「先輩じゃなくていいよ。僕はカイル。そして僕の得意な魔法は攻撃系だよ。僕たちが相棒になったらやっぱりいいコンビになりそうだね。あっ、君の名はなんというんだい?」
「俺はフロスです。よろしく」
「よろしくフロス君。で? どうなんだい、僕たち相棒にならないか?」
「いいですよ。なりましょう『相棒』というやつに!」
「よし。交渉成立だね。早速ローザン社長に報告しよう」
は? 早速? 今日新人会が終わったんだぞ……
〜場所 社長室前廊下〜
疑問を思いつつ、カイルに連れて行かれると、まぁなかなか人がいるもんだ。さらっと見るに、5〜6組の集団がいた。……仕方がない。気長に待とう。
ーーようやく俺らの番か。待っている間は俺の前世の記憶のことをカイルに語った。ローザンの野郎……ゲフンゲフン。社長は、パーティーのときに比べたらおとなしかった。というか、




