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話が全く読めません。

「よくぞまいった。原始人よ。」

でっかい顔が重ねて言う。

何だろう。

すごく不愉快なんだけど、それ以上に湧き上がる好奇心。


あれ(・・)、どうやって映してんだろう??


宙に浮いている姿はうっすらと透けている。

お化けでもなきゃ透けるわけもないし、おまけにホンの少しだが、像に揺らぎがある。

プロジェクションマッピングかとも思ったが、顔の周囲にそれを映し出せそうな壁は見当たらない。

呆けたように見とれながら空中ディスプレイの可能性にぶち当たる。

そしてその規模の大きさにびっくりした。

何しろでかいのだ。

ちょっと首をめぐらせてみた範囲には、それらしい機器もスクリーンも見当たらない。

どこから投影しているのか。

あまりの規模にぽかんと口を上げて見上げる私を、小馬鹿にしたように見下ろしていた顔が、視線の先をずらす。


そこには、天使がいた。(後日、顔談)


顔の目が大きく見開かれ、顔がどんどん赤くなっていく。

そして案の定、隣にいる蓮に、憎しみのこもった視線を投げかけてきた。


なんだかよくわからない技術よりも、よっぽど慣れ親しんだ嫉妬の視線に、我に帰る。


幼馴染と一緒の時に、何度となく男子から受けてきた視線。

蓮はため息をついて、睨み返した。


「そう言うあんたは何様!」


腹に力を込めて、気持ち射兎をかばうように前に出ながら、顔に向かって精いっぱいどなる。


「王様だ」


間髪開けずに聞こえた声は、すぐ後ろからで、あまりの驚きに振りかえりざまに殴りそうになっても文句は言われないだろう。


だがしかし、振り上げたこぶしはするりとすり抜け、これもまた立体映像の一種なのだと思い知らされる。


いったい何なのだここは。


首をかしげる蓮を横に、うっすら透けてる王様(仮)は幼馴染の周りをぐるぐると回り始めた。

ぶつぶつと聞こえる声が恐ろしい。

どうやら、嫁に来ぬかだの、この猿はうっとうしいのぉだの言っているようだ。

誰が猿だ。

せめてもの抵抗に映像を手で払い続けていると、周囲の人影の一部が途切れ、そこから長いひげの爺さんが現れた。


不意に王様(仮)の映像が切れ、私たちの目の前には、ひげの爺さんが跪いていた。


「このたびは、我が王が大変失礼いたしました。」


「どうかこの世界を御救いください。」


----------はい?











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