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傘をもたない者
「傘をもたない者が見た」
ほおにあたる、雨粒が告げる。
これからもっとひどくなる。
傘を忘れた私は、
相合傘もできない私は、
一人で立ちすくんでいた。
やがて
帰巣本能を思い出した獣のように
家に帰った。
濡れるのもかまわずに。
泥にまみれた。
綺麗な小鳥が
遠い空を美しく飛ぶさまが見えた。
見せつけられた。
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