タカユキ
「よし、話も終わった事だしタカ先生の家にでも行くか!」
奏斗はニッコリと無邪気に笑った。
「そうね、そらの怪我も気になるし1度行ってみよう。」
そうして4人は、タカ先生の元へ行くことにした。
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タカ先生という人物は、中心街の少し外れ、青空達の家からは歩いて30分位のところに住んでいる。彼は、カウンセラーであり青空や美紅達のような孤児のための施設を管理している。
「着いたで〜。」
ノックをすると、奥からドタドタと足音が聞こえてきた。
「はいはい、こんにちは〜って、お前らか!久しぶりだなぁ。上がってけ、今茶出してやる。」
そう言って再び彼は慌ただしく家の奥に入っていった。その勢いに青空は若干引き気味だった。
「あの人がタカユキ先生、わいらはタカ先生って呼んでるからそらもな。」
皐月は青空にそっと耳打ちした。その後、みんなはタカユキの家に入り、迷うことなく二階に上がった。しかし、青空だけは玄関から延びる廊下に導かれるように、一つの部屋に入った。
そこは、柔らかな陽の光に照らされた大きな絵があった。その絵には黒い服を着た女性が少女を抱きしめている様子が描かれている。
「相変わらず、そらはその絵が好きだなぁ。」
後ろからティーセットが乗った盆を持ったタカユキに声を掛けられた。
「まぁ、この絵の意味ももう少しで分かるようになるよ。
さあ、二階においで。話したいことがあるんだろ?」
青空は、全てを見透かされてるように感じた。それに
(意味も…わかる…?)
少しの疑問と甘い香りに誘われ、青空はタカユキの後に続いて二階に上がった。
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タカユキがティーセットを持っていくと奏斗と皐月は目を輝かせていたが、美紅は険しい顔を変えなかった。
それに気づいたのか、タカユキは初めに美紅にカップを手渡した。
「美紅、お前最近大きい魔法を使ったろ。しばらく魔力回復するまで使うなよ。」
「…。やっぱり、なんでもお見通しですね。」
「俺を誰だと思ってるんだ?」
「そしたら、何であたし達がここに来たかも分かりますよね?」
美紅は少し攻撃的な言葉使いでタカユキに言い返した。
すると、まあなと言ってタカユキは続けた。
「まず、そらは右腕を怪我している、それはただの怪我じゃないな。それに、そらの記憶は何者かによって奪われた。まぁ、俺は隠された、の方が正しいと思う。」
どうだ?と聞いてきたタカユキになにも言い返すことが出来ない美紅はうつむいてしまっている。
「その上でお前らが何をしたいかも大体は想像できるが、それはお前らの口から聞きたい。」
そう言うと、タカユキは美紅達を安心させるように少し笑みを浮かべた。
「俺らは、そらの記憶を奪ったやつを見つけ出したい。だけど、俺らの頭だけじゃ無理だ。だからタカ先生に助けを求めに来た。」
奏斗は強くはっきりとタカユキに言った。
「やっぱりな、いいだろう。色々と助けてやろう。でも、その前に俺の話を聞いてくれないか?」
「お前らの家族との俺の関係だ。」
テスト(いろんな意味で)終わりましたね^^;
まあ、なんとか乗り切ったので大丈夫でしょう…。
今回、タカ先生=タカユキが出てきました。ちなみにモデルは私の小学校の時の先生です!
これからタカユキによる゛もう一つの昔話゛です。来週の金曜日に投稿します。
つたない文章と内容ではありますが、読んでいただきありがとうございます。
誤字や何か気になったことがありましたら、教えていただけるとうれしいです。