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序章
ここは真っ暗で右も左もわからない。地に足をつけて立っている感覚も無い。さらには、自分が真っ直ぐ前を向いているのか、逆さまになっているのかすらわからない。まさに、
『無の世界』
「…。…。」
誰かに呼ばれている気がする。なんだか懐かしく思えてきた。
「―――!」
すると突然、その声をかき消す甲高い音がした。それから、目の前(だと思われる)から強い風が吹いた。それが自分を通り過ぎる時に聞いた唯一の言葉
「頂いていくよ。」
聞き返そうとした瞬間、私の意識がぷつりと途切れた。
初投稿の時結莉黒と申します。頑張って週1で更新していきたいと思いますが、リアルの立場上不定期になってしまうかもしれません。まだまだ未熟ではありますが、読んでいただけるとうれしいです。