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バスケやろうよ  作者: みなもと とおる
31/39

森山係長

「モリさんとバスケが出来るなんて、嬉しいです。」

「上川。お前、市のバスケ部には来ないのか?」

話しの展開に上川はそこで会話を中断した。

「あは。嘘だよ。」

森山は綾たち3人の女の子たちを見た。

「君たちがコモが可愛がっていた子たちか?」

「コモ?周さんのことですか?」

「周さん、知っているんですか?」

「ああ、高校から。」


アップが始まった。上川の加入は大きなことだったが、妙も綾もモドリガツオで上川のプレーは知っていたので三人は森山のプレーに注目した。

森山は普通に上手い。ランニングシュートもジャンプシュートも余裕があった。


さらにゲームでは最初は京浜区と富士見区で5分ゲームをしたのだが、富士見区チームを待った寄せ付け無かった。上川が抜けたとはいえ、14対2で京浜区が勝った。

「すんません。チーム替えをします。とりあえず男女でグーパーしてください。」

増山が言った。綾は増山と上川のいるチーム。妙と明香は森山のいるチームだった。

綾チームの攻撃。ドリブルでボールを運ぶ増山に明香が付いた。

「マスさん。撃たせないよ。」

増山が上川にパス。上川には妙が付いた。妙もスリーポイントシュートを戒していた。上川はワンフェイクを入れてドリブルで中に切れ込んだ。そこに森山が立ちふさがった。

「やば」

上川は山のように立ちふさがる森山を前にしてシュートが出来無かった。増山か左に切れ込んだ。上川から増山にバス。増山がシュート。決まった。


それにしても、森山は圧倒的な存在感があった。三宅もすごいセンターだったが、森山ほど大きく無かった。

妙チームの攻撃。今度は明香には上川が付いた。センターの森山には増山が付いた。

妙はボールを運んで森山にバスを入れた。森山は両手を上げてそれをキャッチするとディフェンスに付いた増山を全く居に介さずゴール下からシュートを決めた。

「すごい!」

「やばい!」

京浜区の女の子たちは森山のすごいスキルを目の当たりにして、驚きと喜び

の声をあげた。


練習会が終わり、京浜区だけで上川と森山の歓迎会を近くの居酒屋で開いた。

「森山さん、て係長なんですか?。」

妙が森山に聞いた。


「そう。ごみとか美化とかの担当。」

「周さんとは仲が良かったのですか?」

その質問に増山が言葉を挟んだ。

「モリさんは周さんと市のバスケ部の大先輩だ。二人は高校時代、インターハイに出たことがある。」

「今は見る影もないがな。」

「いえいえ。今日のプレーを見て安心しましたよ。さすがです。」

すごいって綾は思った。それは周に対してだった。でも、周と同級生でその後も周とバスケをしていた森山には不思議な親近感を覚えた。今日初めて会ったのに。

「コモ、飲むと君たち3人のことを話してたな。」

「えっ?」

明香が節句した。

「3人ですか?」

「江川と嶋本と中嶋。良く話してたな。ゴメン。さんだった。」


そうなんだ。と3人は思った。

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