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解決 1

「それで、犯人がわかったの?」


皆を広場に集めた後、阿部さんが最初に口を開いた。


「はい。今から犯人は誰なのか、どのようにして殺人を行ったのかを話します」

「犯人は一体何者なの?」


横山さんが、私に尋ねてくる。その表情から、不安なのが一目でわかる。


「もう皆さん薄々気づいていると思いますが、犯人は私たちの中にいます」

「……そう思う根拠はあるの?」

「ありますよ。じゃあそこから説明しますね」


私は三人の顔を順番に見渡した。


「まず、何故私がこの中に犯人がいると思ったのかというと、その根拠は桶川さん殺しにあるんです」

「桶川くん殺し?」


阿部さんが首を傾げた。


「はい。皆さんは犯人はどうやって桶川さんを殺したのだと思いますか?」

「普通に、部屋に行ってドアを開けたとこで殺したんじゃないですか?」


内田さんが意見を出す。その考えは至極最もだ。


「確かに、そうでしょうね。ではもし犯人が私たち以外の見知らぬ人物だった場合、桶川さんは果たしてドアを開けてくれるでしょうか?」

「あ、そっか。知らない人が開けてくれって言ったって開けるわけないもんね」

「そうなんです。他にも根拠はありますよ」


私は言葉を続けた。


「そもそも、桶川さん殺しは、部屋に桶川さんがいるということを知っていて初めて成立するものなんです。外部の人間が、桶川さんが部屋にいたことを知ることができたのでしょうか?」

「それなら、私も知らなかったよ」


横山さんが、すかさず申し出る。


「じゃあ尚子は犯人じゃないってことか。ということは、残るは私と愛梨ちゃんと、見つかっていない高山くんってこと?」

「私も犯人候補の一人ですよ。後、横山さんが犯人候補からはずれたわけではありませんよ。あのときの会話は、近くの部屋に隠れていれば聞くことはできたはずですからね。空き部屋は全て鍵が開いていましたし」


私は補足した。

私は自分自身が犯人ではないとわかっているが、それを言ったところで他の人たちは信用しないだろう。客観的に説明しなければ、犯人でないことの証明ができないからだ。


「その五人の中なら、犯人は高山くんで決まりじゃない? 彼なら桶川くんを誘い出して殺すこともできるし、どこかの部屋に潜んでいればあの時の会話も聞くことはできたでしょ」

「確かに。未だに出てきませんし、一番怪しいですね」

「でも、芹香ちゃんは犯人は私たちの中にいるって言ってたよ? 高山くんは私たちの中に入るの?」

「いいえ、入りません」


私は言い切った。


「言葉通りです。犯人は、私たち四人の中にいます」

「じゃあ早く犯人を言ってよ。それと、高山くんはどうなったの?」

「推測ですが、高山さんはすでに亡くなっていると思います。そして犯人についてですが、その前に桑原さん殺しの謎を解きましょう。では皆さん、私についてきてください」

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