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仮面の人物

楽しんでもらえたら嬉しいです。

よろしくお願いします。

「た、助けてくれっ!!」


男の声が空しく虚空に響く。

その声を聴くものは誰もいない。

いや、正確には一人だけいた。

それは、謎の仮面の人物。

男はその仮面の人物に襲われていた。


「な、何でこんなことに……!」


男が何かをしたわけではない。

会社帰りに早く帰ろうと人気のない道を通ったら、突然後ろから刃物で刺されたのだ。

幸い傷はそこまで深くなかった。だが、出血が止まらなかった。

男は何が何だかわからなかったが、逃げなければ殺されるのではないかということだけはわかった。


「はあっ!はあっ!」


男の体力が尽きた。

男は道に座り込んでしまった。


「ま、撒いたか!?」


男は後ろを振り返った。仮面の人物の姿は見えない。


「よ、よかったあ……」


男はほっと息をついた。

そのとき、小さい足音が聞こえた。

その音を聞いた男は、思わず身をすくめた。

足音はこちらへと近づいてくる。ゆっくりと、ペースを崩さずに。

男の鼓動が早くなる。もう一度後ろを振り返った。

すると、仮面の人物が目の前に存在していた。


「っ!!!」


男の悲鳴は声にならなかった。

仮面の人物はアーメットヘルムを被っており、体には黒のマントを羽織っているため、性別がわからない。

背の高さは、170cm前後だろうか。この身長では男女の区別はつかなかった。

男は震えていた。仮面の人物の風貌にではなく、仮面の人物が持っているものに。

仮面の人物はレイピアを持っていた。仮面の人物はそのレイピアを男にむかって構えた。


「や、やめてくれ……」


男は力なく言葉を発した。だが、その言葉が仮面の人物に届くことはなかった。

仮面の人物は意に介さずに、男の胸にレイピアを突き刺した。


「あがっ……」


男はしばらく刺された胸をおさえて呻いていたが、やがて動かなくなった。

男の血が辺りに広がる。仮面の人物は男の死を見届けた後、静かにその場を立ち去った。

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