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雨の中のプロローグ

R15指定にした方がいいのか迷いました。


よく分らないのでそのまま載せますが、


まずいだろう


等のご指摘ありましたら、よろしくお願いします


本人はそんなに刺激があるとは思えないもので・・・

皆知らない振りだね


何も見えていない


自分は無関係みたいな顔して



お前は心まで冷えてしまったんだね


うん、わかってる


きっとその方がよかったんだ



大丈夫


絶対に忘れないよ


忘れさせない



きっとだ


  約束するよ







それは6月に入って間もない月曜日。

僕はいつもの通り中学校へと向かう坂を一人で上っていた。

ここの所降り続く雨のせいで、坂はちょっとした川状態、水は無遠慮に靴の中に侵入してくる。

ブレザーもズボンもぐっしょり濡れて重く体にまとわりついてくる。

おまけに休み明けで、だるい体・・・


優等生で運動神経抜群、いつも明るい双子の妹の和舞かずまはきっと、こんな最悪な日でも友達と、この坂を楽しく上って行ったに違いない。

それに比べ、僕ときたら、頭は並みかそれ以下、何をさせてもこれでもかというほど不器用、人前では瞬間にフリーズするという得意技まで併せ持っている始末。

双子なのにこんなにも違うものだろうか。

考えるだけでも憂鬱だ。

和舞は鏡。自分の一番大嫌いな部分を、残酷なほど僕に再認識させる。

きっとこんなことを考えるのは雨だから。

雨と、このジトジトした空気のせいで、僕の心は腐り落ちそうだった。


和舞はいつも早起きだ。いつも僕が起きる頃には、もういない。

陸上部の彼女は、帰りも帰宅部の僕よりずっと遅い。

おまけに、学校から帰るとほとんど出かけてしまい夜中まで帰らないこともしばしばな僕は、和舞がいつ帰宅するのかも知らない。

それが理由という訳ではないが、僕らはいつの頃からか話をしない。

両親共働きのうちは食事だって、ずいぶん一緒に食べていない。

家族全員バラバラで、自慢じゃないが僕なんか両親の顔も忘れそうだ。

賢い和舞は決してそんなことはないだろう。

父さんも母さんも和舞を自慢にしている。

両親が顔を合わせれば会話は決まって和舞の成績の話。塾に行かせようか、家庭教師をつけようか。

確かこの前会った時は、高校の話をしていた。まだ中学の2年になったばかりなのに。

そして、決まって両親は喧嘩になる。なぜなのかはわからない。

たぶん喧嘩が趣味なのだ。

そして、僕の話題が会話に上ることはない。僕の存在は彼らの中では抹殺されている。

 

【できの悪い片割れ。】


きっと僕は和舞の廃材か何かで何かの手違いによって構成されたのだろう。

だからって、ひがんでいるつもりはない。

昔は和舞が大嫌いだった。和舞なんかいなくなればいい。と思ったこともしばしば。

でも・・・僕だってもう大人だ。



遅刻ギリギリ学校の黒く冷たい門をくぐると、なんだか周りが騒がしい。

普通ならこんなところに生徒がうろついていていい時間じゃない。

ギリギリといったが、じつは、朝礼の時間は過ぎていて、もうすぐ授業が始まる時間なのだから。

何人かの同級生の女子が、僕を指さし泣いている。

おいおい、笑われることはあっても、女子に泣かれるようなことは、した覚えがないぞ。

二つ並んだ校舎と校舎の間、中庭の真ん中あたりに人だかりができている。

いったい何があったっていうんだろう。

先生が、何か叫んでいる。右往左往しているだけだったり、ただ茫然と突っ立っているだけの奴もいる。

担任の磯部が僕を見つけて人ごみをかき分けて近づいてくる。

僕はこの人が大嫌いだ。

神経質そうなその顔、生徒の話など聞かずにいつも何かしらキリキリ叫んでいる。

自分以外正しいやつはいないと思っているらしく、自分の過ちは絶対に認めない。


「さあ、早くこっちへ。」


そう言って、おもむろに僕の手をつかむと人ごみの中心へと僕を引っ張っていく


「痛いです。先生、放してください。一体なんだっていうんですか!」


そういって抵抗してみたが、160㎝程度しかない僕は、大人の男にかなう筈もなく、されるがまま先生に引きずられてゆく。

先生の尖った顔は、まるでホラー映画でも見た後のようにこわばっていた。

それが、恐怖なのか、怒りなのかは僕には分らなかった。


人ごみの中心に近づくとだんだん叫び声やヒソヒソ話す声が雑音から理解できる声に変っていった。


「こらー、近づくな!見ちゃいけない。早く教室へ戻りなさい!」


「そこ、写真撮らない!戻れと言ってるだろう!」


「自殺だって。」


「昨日の夕方はまだ無かったって。」


誰かが死んだらしい。この中心にいるのは、その誰かだということが薄々理解できた。

そして、そこに無理やり引きずられてゆく僕

つまり関係者・・・


真ん中に倒れていたのは小柄な少女。

彼女から溢れ出た真っ黒な液体が雨で薄まって、そこら中を赤黒く染め上げている。

制服のスカートから伸びた白い足は変な方向に曲がっていた。



  和舞・・・



僕の思考はショートした。



全体のラインはぼんやり見えているのですが、うまくまとまるか心配です。

何とか頑張ってみようと思うので、温かい目で見守ってやって下さるとありがたいです。

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