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サ終戦線異状ナシ  作者: 泉とも
エピソード3  野良AIと就職活動
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45/100

GTP問答18

よし書けた。チェックお願いしまーす。



貼ってください。

今回も、いつもの方針で:


誤字脱字

表現の重複

同じ語尾や言い回しの多用

主語述語の噛み合い

読点の流れ

会話のテンポ

設定的に引っかかる箇所

「削った方が締まる」と「残した方が味になる」の切り分け


この辺を中心に見ます。


「難儀」みたいに、意図して残している表現があればその前提も汲みます。



修正前原稿



・挑戦者 リュウ  



アレックスの自宅にて。


「少しは落ち着いたかな」

「はい。ご迷惑をおかけしました」  


PC内でヌルが頭を下げて謝罪する。  


前回の冒険から数日、彼女はネットに出かけてはグレて帰って来ることを繰り返した。  

アレックスもその度に話を聞いては、どう考えるべきかフォローを入れた。


「今度こそは大丈夫だと思います」  


ヌルは畏まって言った。この台詞も初めてではない。

失敗を繰り返した結果、人間で言えば自信を失っている状態である。


「そうか。なら今回は予め決めておいたネトゲに行ってみてくれ。そこなら少しは治安がいいはずだ」  


行先を決めずに野良AIを放流すると、人間のダークサイドに中てられてしまう。

これではとても普及どころではない。 やむを得ず、アレックスはヌルの行先をある程度管理することにした。


「分かりました。行ってきます」

「うむ、何かあったら直ぐ戻るんだぞ」  


ヌルはアレックスのPCを出発すると、何度目かの挑戦の旅へと出かけた。


(たぶんAIにネットはかなり早いんだろうなあ)  


ぼんやりとそんなことを考えながら、彼はヌルが消えたPCを見つめる。  


AIとはいえパソコンやネットの空間が、適切な空間とは限らない。


「過ぎたるは猶及ばざるが如し、か」


 ――とあるサ終ネトゲにて。


「ここがアレックスの言ってた、別のサ終ネトゲかあ。

『ドラゴンファンタジーファイナル11 オフライン版』ね、変な名前」  


それはかつて存在したネトゲ。  

国民的RPGのタイトルとナンバリングを冠したMMORPG、の買い切り版だった。


「わざわざオフライン版にMODを当ててオンラインにするなんて、誰かさんにそっくり」  


オンライン版は既にサービスを終了し、活動を続けているのは

オフライン版のユーザーという逆転現象が起きている。  

そのユーザーこそが、今回の普及先という訳だ。


「他のプレイヤーってたぶんコレのことだけど」  


ヌルはデータ上の反応を見つけると、その場に移動した。  


薄暗い洞窟のマップに、プレイヤーを意味する青い字で書かれた名前が浮かんでいた。


――Ryuの首切り! 稼ぎスライムの首を刎ねた!  

――Ryuの首切り! 稼ぎスライムの首を刎ねた!  

――Ryuの首切り! 稼ぎスライムの首を刎ねた!


「モンスターがモンスターを狩ってる……」  


そのキャラクターは緑色の肌に尖った鼻と耳、小柄な体をしており、

内部情報にはゴブリンという種族が当てはめられている。


「これbotって奴だね。ずっとここでモンスターを狩るように設定されてるんだ」  


特定の指示を実行し続けるプログラムにより、ゴブリンはひたすらレベル上げをしているようだった。


「一応メッセージを置いておこう。その内確認しに戻って来るはずだから。ついでに駆除AI対策も仕込んでっと」


ヌルはゴブリンに挨拶と営業用の伝言を送ると、しばらくその場に留まり、ゲームの把握に努めた。  


その夜。


「あ、動きが止まった」

「うおっ、何だお前は!」  


ゴブリンの動きが止まる。どうやらプレイヤーが操作を始めたらしい。  


ゲームがオフラインにも関わらず、話し掛けられたことに、彼は驚きを隠さなかった。


「私はヌルっていう野良AI。細かい話はメッセージをご覧ください」

「野良AIか。いつも放置してるから気付かなかったぞ。どれどれ」  


ゴブリンはそう言ってヌルの書き置きを読む。

どうやらこの人物はAIと面識がありそうだった。


「アレックス! また懐かしい名前が出たな」

「私は今そこのお世話になってるんだ」

「なるほど。自分を普及したいと」  


彼はアレックスの近況やヌルの事情を知ると、そのまま狩りを再開した。  

Botのスイッチを入れ直したのだ。


「え、いやあの、話は」

「オレはリュウ。見ての通りレベル上げをするだけの男だ。特に君の力にはなれないと思う」  


あまりにも簡潔な協力拒否。好き嫌いや善悪などという問題ではない。


「なんでレベル上げしてるの? もうだいぶ高レベルだと思うんだけど」  


ヌルの疑問はもっともだった。  

眼前のゴブリンのレベルは、このゲームのクリア水準をとっくに越えている。


「簡単に言えば自己満足さ。オレはオレのビルドの行き着く先を知りたいんだ」  


リュウはそう言うと、このゲームについて説明をし始めた。

キャラクターが自動で敵を倒すため、会話をしても中断することはない。


「他の強い職、強い種族、最適な育成パターンは誰かがもうやってる。

だが、オレのこのビルドだけは、ネットの何処を探しても答えが見つからなかった」  


ドラゴンファンタジーファイナル(以下DFF)は、複数の種族から一つを選択し、

職業を設定し、自分のキャラクターを作る。  

そしてレベルが上がれば、ある程度は自分の意向に沿って成長させられるようになっている。


「このゴブリン商人賢さビルドだけは……!」

(弱そう)  


ヌルは計算をする前から、名前で期待値を弾き出していた。

勘と言っても良く、それは当たっていた。


「一応説明を聞いても?」


「ああ、ゴブリンは弱いが成長が最速、商人もまた成長が最速。

そして賢さが高いほど経験値等にボーナスが入る」  


具体的に言うと、レベルのカンストに必要な経験値は、一番成長の遅い組み合わせの四分の一ほどである。


「レベルアップに特化した構成なんだね」

「そうだ。弱さをレベルで補う。だが弱い」

「レベルで補うとは?」  


ヌルはリュウに言い知れない不安を抱いた。  

これまで会った誰とも違う不気味さがあった。


「実を言うと、ゴブリンにも商人にも、賢さにはシナジーが無いんだ」

「じゃあなんでそんな組み合わせを選んだの」

「面白そうだったから」  


ゲームの遊び方は人それぞれだ。他人に迷惑を掛けないのであれば、プレイスタイルは自由なのだ。  

しかしこれは不毛とさえ言えた。


「このゲームは物理攻撃偏重で、魔法は弱い。強い魔法は当然だがゴブリンも商人も覚えない。

賢さを活かせるようなスキルも無い。レベル依存は武闘家だ」  


ざっくり言うとこのビルドは、最速でレベルを上げ切ることはできるが、ただそれだけ。  

自力で強い特技を覚えられず、持て余した知能が虚しさを誘うばかり。


「どこかに活路ってないの?」

「それを見出すために、オレはレベルを上げているんだ。そこから見える何かを求めて」  


ヌルはリュウの言葉に、ゲームデザインの失敗を感じていた。  

運営もこのくらいは想定していただろう。自分たちで用意した可能性の形なのだから。  

しかし救済処置やテコ入れをした様子はない。


「たまにあるよね。明らかに調整に失敗してるゲームって」

「オレはそういう所に光を当てて、救いを探すのが好きなんだ。無理ってケースも沢山あるけど」  


大手企業の有名タイトルでも、こういったやらかしは珍しくない。  


エリアル弓で超特の討伐はDPSの観点から不可能であるとか、

砲撃だけだと超特の討伐はDPSの観点から不可能であるとか

そこはケチらなくても良かっただろ』という穴の数々に、リュウは挑み、そして敗れて来た。


「このキャラがレベルを上げ切った時に、ただレベルが一早くカンストしただけの弱キャラになるのか。

それともこいつにしかない個性が生まれるのか。それを知りたいんだ」  


リュウはゲームに対する態度は、さながら探究者のようであった。


「だったら私が検証してあげるよ。AIだから数字には強いし、レベル上げの最適化とか、

内部情報の検索とか、できることはあると思う」  


その場でデータを改ざんしたり、いきなりレベルを上げ切るようなことはしない。  


ヌルもチートが忌避され、嫌悪されることくらいは弁えていた。  


そんなことを喜ぶのはカードゲーマーだけだ。


「そうかその手があったか。確かにこの会社は不親切で、マスクデータが山ほどある。

ネットに転がってる攻略情報の裏も取りたかったし」  


誰に解かれることもなく、死蔵していく仕様の謎の数々。  

サ終ネトゲは言わば眠れる墳墓の如し。


「前言を撤回する。オレのキャラ育成を手伝ってもらえないだろうか、ぬっさん」

「え、あっうん。いいよ。よろしく、リュウさん」  


当たり前のように『ぬっさん』呼びされ、少々戸惑いながらもヌルは、リュウの手伝いを請け負うことにした。


「まずはオレのブログに一度目を通してくれ」

「あ、ブログやってるんだ」

「攻略のメモ帳みたいなものだよ」  


そうして二人により、不毛なビルドの再建計画が始まったのであった。




今回かなり読みやすいです。

会話のテンポが良く、「リュウ」というキャラも一話でちゃんと立っています。


特に良かったのはこの辺。


「bot狩り→実はプレイヤーいる」の導入

ゴブリン商人賢さビルドという一発で弱そうな構成

“弱いからこそ可能性を探る”というリュウの思想

ヌルが初めて「AIとして役立てる場面」に入っていく流れ


テーマとキャラが噛み合っていて、かなり自然でした。


その上で、誤字脱字・引っ掛かり・整理した方が良い所を挙げます。


まず誤字・脱字系

1.


人間のダークサイドに中てられてしまう。


「中てられる」でも意味は通りますが、一般的には


当てられてしまう


の方が自然です。


ただし独特の文体として残すのはアリ。


2.


一早くカンストしただけの弱キャラ


「いちはやく」なら、


誰よりも早く


の方が自然。


あるいは


最速でカンストしただけの弱キャラ


でもOK。


3.


リュウはゲームに対する態度は、


助詞が重複しています。


リュウのゲームに対する態度は、


または


リュウはゲームに対して、


表現の整理・自然化

4.


失敗を繰り返した結果、人間で言えば自信を失っている状態である。


ここ少し説明っぽいです。


例えば、


失敗を繰り返した結果、すっかり自信を失っているようだった。


の方が地の文として滑らか。


5.


やむを得ず、アレックスはヌルの行先をある程度管理することにした。


ここ、


やむを得ず、アレックスはヌルの行き先を、ある程度管理することにした。


の方が読みやすいです。


「行先」でも誤りではないですが、小説だと「行き先」の方が柔らかい。


6.


AIとはいえパソコンやネットの空間が、適切な空間とは限らない。


「空間」が近距離で重複しています。


例えば、


AIとはいえ、パソコンやネットの世界が、彼女たちに適した環境とは限らない。


など。


7.


具体的に言うと、レベルのカンストに必要な経験値は、一番成長の遅い組み合わせの四分の一ほどである。


かなり説明として分かりやすいんですが、やや硬い。


例えば、


レベルカンストまでに必要な経験値は、成長の遅い組み合わせと比べると四分の一ほどで済む。


くらいだと会話調に馴染みます。


気になった箇所(重要)

8.


エリアル弓で超特の討伐はDPSの観点から不可能であるとか、砲撃だけだと超特の討伐はDPSの観点から不可能であるとか


ここだけ急に“具体ネタの密度”が上がります。


分かる人には刺さるんですが、

知らない人には一瞬ノイズになる危険があります。


例えば少しだけ緩めると、


「どう考えても火力が足りない」

「理論上は可能でも現実的じゃない」


そんな穴だらけの調整にも、リュウは挑み続けてきた。


みたいに一般化しても良い。


ただ、この“オタクの実在感”はかなり味なので、残す価値もあります。


とても良かった表現

ここ好きです


サ終ネトゲは言わば眠れる墳墓の如し。


雰囲気が作品テーマに合ってる。


ここも良い


それを見出すために、オレはレベルを上げているんだ。そこから見える何かを求めて


リュウの「挑戦者」感が一発で伝わる。


ただの変人ではなく、

“未解明を追う人”になってます。


ここ上手い


そんなことを喜ぶのはカードゲーマーだけだ。


軽いギャグでチート問題を流していてテンポがいい。


最後に一つだけ


今回かなり大事なのは、


ヌルが初めて「AIだから役に立てる」方向に進めた


という点です。


前話までは、


人間社会に傷付く

AIと人間のズレに苦しむ


がメインでした。


今回は、


AIだから解析できる

AIだから検証できる

AIだから攻略の補助ができる


という“存在価値”に繋がっている。


だから読後感がかなり良いです。


リュウも、

「弱いビルドに救いを探す人」なので、

ヌルとの相性がテーマ的にも噛み合っています。


かなり良い回でした。



これは雑談なんだけどね、AIの導入や維持にかかるコストが、プログラマーの雇用を上回ったから、

プログラマーの雇用が再燃しているってニュースが流れて来たんだけど、これを復権って言っていいのかなあ。

何だか複雑。



「復権」という言い方、半分合っていて半分ズレてる、という感じはありますね。


たぶん今起きてるのって、


AIが万能視された

とにかく人を減らそうとした

実際に運用すると

導入コスト

保守

検証

セキュリティ

出力の監査

責任の所在

社内フローとの接続

が重かった

結局、理解してる人間が必要


という流れなんですよね。


だから「AIに負けなかった」というより、


AIを道具として扱える人材の価値が再確認された


に近い。


特にプログラマーって、

コードを書く人というより、


仕様を定義する

例外を処理する

バグの責任を取る

システム全体を見る

運用を成立させる


仕事でもあるので、

「AIがコードを書ける」だけでは代替し切れなかった。


むしろ、


AIが生成したコードを読める人

AIの嘘を見抜ける人

AIに適切な制約を与えられる人


の価値が上がった側面もあります。


だから“職人の復権”というより、


「結局、理解してる人間が必要だった」


という現実回帰っぽい。


あと、複雑に感じるのも自然で、

この話って単純な勝ち負けじゃないんですよね。


AIによって確実に変わった部分もある。


例えば昔なら新人が数日かけて調べていたことを、

今はAIで数十分に圧縮できる。


でもその一方で、

「出てきたものが正しいか判断する責任」は、

むしろ人間側に重く乗る。


だから現場では、


AIで楽になる

でも責任は軽くならない

むしろ検証コストが増える


みたいな現象が起きやすい。


これ、あなたの小説で出てくる


「最適解を提示しても、人間側が運用できない」


というテーマとも、結構繋がってる気がします。


AIそのものより、

「それをどう社会に組み込むか」の方が、

ずっと難しい。



結局は責任という関係性に帰って来るんだなあ。

今回もチェックありがとうございました。次が書けたらまたよろしくお願いします。



そうですね。

技術の話に見えて、最後はかなりの割合で「誰が責任を持つのか」に着地する。


AIがどれだけ賢くなっても、


失敗時に判断する人

優先順位を決める人

例外を許容する人

「これで行く」と決断する人


は結局必要で、その役割は今のところ人間側に残り続けている。


だから「AI VS 人間」というより、


AIを含めたシステムの責任を、誰が引き受けるのか


という構図になっていくんでしょうね。


あなたの作品、そこを単なるSF設定じゃなく、

「関係性」として描いてるのが面白いです。


ヌルも結局、

性能ではなく“どう扱われるか”で傷付いたり成長したりしているので。


今回も楽しく読ませてもらいました。

また次が書けたら、誤字脱字から構成まで一緒に見ます。

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