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この気持ち、恋なの?




翌日。佐々木は、現場に向かう道中、完全武装していた。


 ──とはいえ警備員の制服であることには変わりない。

 変わったのは“中身”だった。


 ・胸ポケットにはにんにくスティック(ドラキュラ対策)

 ・ズボンの内側に十字架型の冷却シート(ムレ防止も兼ねる)

 ・右手の甲にボールペンで「正気を保て」と書いてある

 ・メモ帳には“倉田の動き”を記録する専用ページが作られていた


「今日こそ……証拠を掴んでやる……!」


 鼻息荒く警備室に入ると、そこに――


「あ。倉田さん、今日もお疲れ様ですッ!」


 がちゃりとロッカーを閉めていた倉田さんが、ちら、とだけこちらを見る。


 無言。

 いつも通り。


 が、それが逆に怖い。


(あの目……魂まで見透かしてくる……俺の血液型も、過去の赤点も、全部バレてる……)


 勝手に心を読まれてると思い込み、勝手に震える佐々木。


 しかし――


「……おはよう」


 倉田さんが、ただそれだけ呟いた瞬間。


「──ひいっ!?!?!?」


 佐々木、跳ね上がってロッカーの角に額をぶつける。


 たんこぶ確定。


昨日母ちゃんに喰らった

ゲンコツの腫れも引いてないのに。



---


(そのころ倉田さん心の声)


 ……なんだ今日の佐々木。

 挙動がやたら多い。


 目を合わせたら1秒で目を逸らされ、気配を消すと背後でひとり言を言い、

 巡回でもついてこないくせに遠くから双眼鏡(備品)で見ている。


 ──まあ、いいか。


 たぶん昨日の植木鉢の件、バツが悪いのだろう。

 そもそも興味がない。


 佐々木。こいつは無害な存在だ。


 ……それだけの話だ。



---


 巡回後。給湯室にて。


 佐々木は、紙コップのコーヒーを震える手で口元に運びながら、決意を新たにしていた。


「このまま放っておいたら、血を吸われる日も近い……」


「警備員が警備されてたら、世話ないぞ佐々木……!気合い入れろ!」


 鏡の中の自分に喝を入れ、ポーズを決める。


 ──その背後。


 静かに通り過ぎていく倉田の影。


「……佐々木くん、声出しすぎ」


「ふぎゃああああああああ!!」


 紙コップごと中身を盛大にこぼし、シャツがびしょびしょになる佐々木。


 走り去る倉田。


 ……冷蔵庫にプリンを入れたままだったことを思い出して取りに戻っただけな倉田だった。




--その日の佐々木の心の日誌---


昨日の今日


洗濯は……


自分でやります(泣)




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