表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/19

疑惑の始まり

「倉田さんて、独身なんすか?」


ある日の夜勤明け、

詰所で缶コーヒーを開けながら佐々木が聞いた。


返事はない。というか、すでに倉田さんはロッカー室へと姿を消していた。


「いや、別に詮索とかじゃないんすよ? ただ、……」


佐々木は呟く。

あの人、いつも誰とも喋らず、淡々と業務をこなす。


そうそう、でもこの間、日勤の岩田さんが

倉田さんに日勤と夜勤のシフト交換を

お願いしてた時、最初断固として断ってたのに


「シルバニアファミリーのカエル。

手に入りましたけど……」の一言で引き受けてたから子供いんのかな?とは思ったけどね。




---


そんなある日。

佐々木は見てしまった。


倉田さんがロッカーから小さな鍵付きの箱を取り出している姿を――


「……あれは……何かの機密?」


しかもその時、倉田さんが何かをメモしていた。「 0時 」「 T 裏口」……?


──その夜、佐々木はそっと職場の裏手へ向かった。

0時、ぴったりに。


が、そこには──


配達のトラックと、猫の餌を抱えてる倉田さんの姿があった。


「あっ……(えっ)」


彼は、餌を金属のボウルに移しながら、近くの野良猫に丁寧に話しかけていた。


「食え。今日はカツオ風味だ。塩分は控えめにした」




……あのセリフをなぜ、

あそこまでかっこつけられるのか。


でもなんか脳内で声だけ

津田健次郎にしてみたら許せた気がする。




業務終了後の朝、佐々木はとうとう倉田さんを尾行してしまった。


そして見てしまう。


倉田さんが、自宅で「誰もいない部屋」に向かって語りかけている姿を。


「……〇〇〇?」

小さくてよく聞こえない。


何もない部屋だな。誰と喋ってるんだ?



「……あの佐々木という男、多少面倒だな。手段は選ばない」


だ!だれの声なんだ!!



倉田「あいつは、む……」


その時


がたっ、と佐々木が盛大に植木鉢を蹴ってしまった。


倉田さんが即座に振り向く。

目が合った──気がした。





母ちゃぁーんっ!!

おれ、お、おれ終わった……!


最後に母ちゃんの味噌汁ううー!

トンカツぅー!!ハンバーグぅー!


ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!




【次回】

佐々木のズボン。

ちょい漏れで母激怒








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ