第4話 簡単なクエストで荒稼ぎしよう
さて、体力も回復したし寝不足も無かったことになった。
一般的なゲーマーはここで、さっき見つけたスライムのような弱そうなモンスターを倒しにいきたくなるだろうが俺は違う。
なにせ、さっき見たスライムが弱い保証なんてどこにもないのだ。
しかし俺は神ゲーだけでなく糞ゲーも漏れなくやってきた(糞だけに)。
ゲームバランスが崩壊して最初の町のモンスターが強過ぎるなんてパターンもあるし、襲われでもしない限りはまだ自分から戦いに行く必要はないだろう。
だからまぁ、とりあえず最初は簡単な実績を開放してレベル上げだな。
【達成難易度H】
『動きに慣れよう1』
条件:しゃがむ、ジャンプ、伏せる、前転を行う。
報酬:10の経験値。
チュートリアルレベルの実績も存在してくれているようで助かる。
俺はつつがなく行うと達成した。
一人で前転した時に風が吹き抜けて、なんか心が虚無になったけど。
他にもこういう動き系の奴は全てこなしてしまおう。
【達成難易度G】
『動きに慣れよう2』
条件:バク転、側転、後方宙返り、前方宙返りを行う。
報酬:20の経験値。
誰か、俺の肉体をコントローラーにつないでくれ。
できればプレステの奴。
インドアの擬人化みたいな俺にはこんなのできるわけなかった。
でも他にもかなり多くの実績が用意されている。
他の簡単な奴を地道に終わらせていこう。
見ていくと、他にもすでに解放されている実績があった。
【達成難易度H】
『言い間違えずに唱えよう』
条件:『ファイアー』を使う。
報酬:1のスキルポイント。
ついに現れたか、スキルポイント。
「アンロック」
そしてそのスキルポイントとやらを手に入れた俺はすぐに言う。
「スキルツリー」
そして、これもまた予想通りに目の前にウィンドウが現れた。
ありがちな設定だが、このスキルポイントは俺の職業『魔法使い (Mage)』を成長させる為のポイントだ。
スキルツリーを通して新しい魔法などを覚えていけるのだろう。
「さて……とりあえず、魔法使いを極めるか」