身分差恋愛系異世界日常青春小説。
こーこーこー、こけきょ。
この頃、異世界系とかいう、ジャンルが流行っている。なぜ、みな揃って、異世界に行きたがるのだろうか。
僕は、そのジャンルについての本を読んだことがないから、わからない。漫画『ドラえもん』も、その一種なのだろうか。
異世界に行くよりも、もっと現実に目を向けるべきだ。異世界よりも、現実は奇なり。
僕は、小学6年生。中学受験の最大手の塾、なろう塾に通う。そこでは、熾烈な戦いが繰り広げられている。毎日、夜の10時まで、小学生が勉強する。家に帰った後も、夕食を食べならも、帰宅中も、全て勉強に注ぎ込む。
この、冬の特訓講座とやらを受けて、家に着いた時には、夜の10時30分だった。塾に帰ってくるや、いなや、夜ご飯を食べさせられる。僕の母親は、狂気なのだ。一言も言わず、ただ、ご飯を並べるだけ。そして、何か喋ったと思ったら、
「明後日の宿題やらないかんのやから、早くお食べ。」と、機械のように言うだけであった。
僕は、とってもとっても、悲しいよ。僕の両親は馬主で、僕は鞭で叩かれるお馬さん。明日のクリスマスは、過去問解こうよの会がある。たぶん、これは有馬記念。
ため息を一息つくと、両親は就寝に入っていた。お風呂に入った後、僕も寝た。
朝目が覚めると、そこは現実。今日の夢は、ゲームをして怒られて崖から落とされる夢だった。夢の方が、現実なんかよりマシだ。例え、その夢が怖い夢だったとしても。
今日は、入試本番だ。僕は、どっちかと言うと、落ちていいと思っている。しかし、受かったら、ゲームを買ってくれるらしい。だから、頑張る。別に、難関中学校に入りたいわけではない。なんなら、公立の中学校へ行って、地元の友達とずっと遊んでいたいくらいだ。
全ての受験校を受け終わったは、ずっと遊んでいた。
第一志望の合格発表の日。
僕は、落ちた。
母親に、一発ぶたれた。
動画投稿サイトに投稿された学歴を馬鹿にする5人組の動画を見ながら、おじいちゃんは、ため息をつく。
大学入試の数学の問題を解きながら見守っていた、父親は沈黙している。
続く。