表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚されて三年、聖女に気に入られ無茶振りをされた結果、店と弟子を持つことになりました。  作者: あかね
食材探しの旅in東方 ~RTAは得意です?~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/101

ご旅行ですか?


「いやぁ、いい天気でよかったっすね」


「待てこら、おまえら、なんですました顔で門の外で待ってた」


「食材を探す旅ですよ。

 自由にしていいって言ったじゃないですか」


 フェリクスとフローリスは勇者である。言いだしたグスタフはさっさと隠れたというのに。

 コンラートも怒れる師匠に立ち向かう蛮勇はない。ので、こっそり馬車の陰に隠れた。幌付き荷馬車なので隠れる場所には事欠かない。

 向こう側からの言い争いに耳を傾けていたら、何かガサゴソ音がしていた。

 なんだ? と見れば。


「あ、どうも」


 荷馬車に忍び込もうとしている謎の人物と目があった。


「な、だっ」


「しーっ。返品きかなくなってからババーンと登場するので黙ってて」


 謎の人物、聖女様。この間、会ったばかりだから見間違いもない。

 コンラートはいっそ卒倒したかった。前にはいかれる師匠、後ろには微笑みの聖女。

 なぜだろうか、後ろの方がまずい気がした。


「あ、ちょっと荷物暴れるかもしれないからごめんね」


「何もってきたんですか?」


「ひみつー」


 悪い笑顔だった。

 師匠に言うべきかコンラートは迷って馬車の陰から現場を確認した。


「ちょ、ちょっとなんでシアさんまでいるのっ!」


「ハブられると寂しいです。

 ご一緒しましょ。

 ほら、あれです。枯れ木も山の賑わい」


「それ、いい意味じゃないから……。どこから覚えてきたの」


「聖女語録です」


「そんな本出てるの?」


「ベストセラーです」


 え、知らないんだけどとコンラートの隣から聞こえてくる。

 アイディア料巻き上げないとだめねと呟く聖女様。コンラートは周りを見回したが、誰もいなかった。おかしい、ここには12人もいるはずなのに。残り9人どこ行った。

 師匠に恐れをなして逃げ出したとしか思えない。


 あるいは、あ、なんかまずいのいると気がついて撤退したか。察知能力が異常に高い。


「ま、あっちが騒いでいるうちに、乗っちゃうね。

 しばらくよろしく。我らが騎士たちよ」


「へ?」


「あ、知らないの?

 ローゼンリッターの意味」


「師匠の師匠がつけたかった名前ってのしか知りませんね」


「そういう名前だったんだ。

 ふぅん? いい名前よ。たぶんね」


 たぶんってなに!? と聞き返す前に聖女様は馬車に乗り込み、揉めてる師匠たちは静かになった。


「わかったわよっ! みんなで旅行ね!」


 折れた。

 まあ、そうなるだろうと大多数が予想したとおりだ。

 案外、甘い人なのだ。

弟子。

っすの人→フェリクス

幼馴染の人→フローリス

糸目の人→グスタフ

でかい人→テオ

不幸体質の人→コンラート

貧乏くじの人→リーグ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 珍道中が始まりそうですね。 楽しそう。 後書きの弟子一覧。 分かりやすかったです。 [気になる点] 多分ってどういうことですか、聖女様!? ローゼンリッターがどんな騎士なのかご存じなので…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ