雪丸
早速掲示版や知り合いのプレイヤーから情報を集めロケット作りの準備を始めるノブオ
そして一週間後
ノブオの目の前にあったのはロケットではなくドラゴンのゴーレムだった
何故こうなったのか
当初はロケットを作るべく情報を集めた
結論として現在のノブオでは同じロケットを再現するのは難しかった
スキルは頑張ればなんとかなりそうだったが素材が難点だった
使用されていた素材は入手が難しいものが使われていた
集めることも可能だったがその為には知らないプレイヤーとの交渉をたくさんしなければならず面倒なのでやめた
別にそこまでして同じものを作りたい訳ではない
要は兎の国にたどり着ける乗り物があればいいのだ
空高くまで飛べる馬力と耐久性のある乗り物をノブオなりに解釈したその結果
完成したのが白いもふもふのドラゴンゴーレムだった
素材のほとんどは以前豚が倒したドラゴンだ
あの戦いで豚は島の所有権だけ希望し
他の動物たちはその後のパーティーの食事で満足したから何もいらないとドラゴンの素材一式をノブオが所持していた
特に使う予定もなく売るにしてももったいなかったので余らせていた素材だ
余らせていた素材といったがそれは決して質が劣っている訳ではない
豚があっさりと倒していたが実はあのドラゴンは上位ダンジョン最奥に現れる魔物のボスと同格だった
攻略組でも倒すのが大変な相手だ
そんな素材ならばロケットと同等の性能のものが作れるのではと判断した
ちなみに後日知った話だが
豚の種族はいわゆるマスコット的なただの豚だ
とてもドラゴンを倒せるような魔物ではない
どうやったかわからないが
あの豚は武者修行の末あそこまで強くなった特殊な個体なようだ
しれっとノブオの空島に来ていたが
ノブオの獣魔たちが豚を見逃していたのではなく手が出せなかったのかもしれない
無害な豚で助かった
そんな実情を知った今ではだん吉が豚に弟子入りしたのも頷ける
ドラゴンゴーレムは元のドラゴンよりも小さく四足歩行に翼の生えたタイプだ
それでも全長10メートルはある
ドラゴンの魔石を動力としているので早太郎よりもパワーがあり兎の国まで行けるはず
白くもふもふなのは羊毛を纏っているからだ
これには理由がある
羊たちから定期的にもらっていた羊毛は耐久性が高く
ドラゴンの鱗の上に植え込むことでより頑丈となった
というのは建前でどうにかしてもふもふにできないかとやってみたら結果的に上手くいっただけだった
このドラゴンゴーレムの名は雪丸
ノブオの獣魔たちの中で一番大きい
ゴーレムなのでしまうことができるが早太郎と同様に島に放し飼いするつもりだ
兎の国への行き方だが雪丸に乗り運んでもらう
ただ乗るのではなく搭乗するノブオたちはカゴのようなものを作りそれに入る予定だ
それが完成し次第兎の国へいよいよ出発する




