猫のおみやげ
マイホーム作りは順調だがやはり一人で作業しているので完成までは道は長い
それ以外にも島の整備等もやっているので大変だが楽しい
こういうのがこのゲームでやりたかったのだ
完成したあとも自分だけの島でのんびり過ごせるしノブオとしてはもうゴールした状態のようなものだ
そのためここ最近のノブオは素材やその資金集め以外はほとんど島にいる
普段から人前にあまり現れなかったがそれがより一層顕著になった
顔見知りのプレイヤーたちとは素材や資金集めのために会うので空島ということは伏せて
島を手に入れ家を作っていることは話している
元々それが目的でプレイしていることは知っているし今まで手伝いしていたのもあり色々協力してくれる
それでも島には連れていくつもりはないし場所を教えるつもりもない
それだけは絶対に譲れないラインだった
幸いその辺りの事情は理解してくれているのであまり深くは聞いてこないのでありがたい
空島は外敵はほとんどいないがそれでも魔物はやってくる
しかし大抵の魔物は大樹の加護で弾かれるので問題ない
そもそも強大な力を持つ魔物は自分のテリトリーから移動することがほとんどないので島に上陸できる魔物は今のところいない
のだが最近小屋の前に魔物の死体やドロップアイテムが置かれている
因みに魔物は倒して長時間経つとアイテムを残すか何も残さず消滅する
島に魔物が上陸した形跡はなく理由を調べるとどうやら茶々丸たちエレメンタルキャットの仕業と判明した
猫がネズミや虫を持ってくるおみやげの魔物版だ
茶々丸たちは魔法が使えるので島の外で飛んでいる魔物をたびたび打ち落として狩っているそうだ
こちらとしてはありがたいがワイバーンやらグリフィンやらを気軽に狩るのはやめて欲しい
茶々丸といえば島にやってくる猫の数が最近増えていた
どうやら口コミでいい場所があると広まったそうだ
増えるのが猫なので問題ないのだが
他のプレイヤーや人間に知られるのは不味いのでその辺りは茶々丸含め猫たちに言い含んでおいた
あと猫好きの掲示板に場所は伏せて最近自分の島に猫が集まっていることを書き込んでおいた
もしかしたら他の場所で猫がいなくなっているかもしれないからだ
ぼかしつつ猫が集まってきた理由も書き込んでおく
島にこもっていても案外色々起こるものなのだなと感じていた




