第三十話:伝説の酒
【☆★おしらせ★☆】
あとがきにとても大切なお知らせが書いてあります。
どうか最後まで読んでいただけると嬉しいです……!
「とりあえず、先へ進んでみよう」
俺はそう言いながら、ダブリスの街へ入って行く。
「なんか『もぬけの殻』って感じね……」
「モンスターが出たわけでもなさそうです」
「うむ、特に荒れた様子も見られんな」
ステラ・ルーン・ドワイトさんは、それぞれ思い思いの感想を口にする。
(戦闘の余波や魔力の残滓がないことから、モンスターに襲われたという線は薄い……)
俺がまだギルド職員をやっていた頃、冒険者の人達から、たまにこういう報告があがってくる。
人がぱたりと消えた街、おそらくここは――。
「――ひっく……っ。おや、こんなところに客とは珍しいのぅ」
前方から、腰の曲がった老爺が歩いてきた。
左手には大きな酒瓶をぶら下げており、まだ陽も高いというのにかなり酔っているようだ。
(……武器は持っていないな、魔力を隠している素振りもない)
俺は警戒を払いつつも、そうと悟られないよう、柔らかい表情で話し掛ける。
「はじめまして、自分はアルト・レイスと言います。お爺さんは、ダブリスの街の人ですか?」
「あぁ、そうじゃ」
「もしよろしければ、少しだけお話を聞かせていただけませんか?」
「別に構わんが……。儂の時間は貴重じゃぞ? 何せ残りが短いからのぅ」
「もちろん、タダでとは言いません」
俺はそう言いながら、龍の手印を結ぶ。
「――ダリュリュ?」
天麗山の僻地にのみ存在する酒樽龍。
体高1メートル、背中に酒樽のような甕を背負った、四足歩行のとても愛らしい龍だ。
この子が醸成する酒は、天にも昇る味と言われている。
「お、おいあんた……そりゃ伝説の酒樽龍じゃねぇか!?」
「はい、ちょっと見ててくださいね」
空き瓶を召喚した俺は、しゃがみ込んで、酒樽龍と目を合わせる。
「突然ごめんね、少しだけお酒をもらえってもいいかな?」
「ダリュリュ」
「ありがとう。お礼に今度、ヨゾラの原木を持っていくね」
「だ……ダリューッ!」
思わぬ形で大好物をゲットすることになった酒樽龍は、嬉しそうにブンブンブンと尻尾を振る。
俺はその間に背中の甕に入った酒をちょうだいし――お爺さんに目を向けた。
「このお酒でも飲みながら、少しお話をしませんか?」
「お前さん、若いのによぅわかっとるな! 気に入った、うちの店に来るといい!」
交渉成立。
俺達は、路地裏にある小さなお店へ案内された。
【※読者の皆様へ、大切なお知らせ】
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タイトル:怠惰傲慢な悪役貴族は、謙虚堅実に努力する~原作知識で最強になり、破滅エンドを回避します~
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