表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放されたギルド職員は、世界最強の召喚士~今更戻って来いと言ってももう遅い。旧友とパーティを組んで最強の冒険者を目指します~  作者: 月島 秀一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/30

第二十八話:愛弟子

【※大切なご連絡!】

なんと今日、本作のコミカライズが始まりました!

詳しくはあとがきに書いていますので、どうか最後まで見ていただけると嬉しいです……!


 それから三十分余りが過ぎる頃、ギルドの扉がギィと開き、大柄な冒険者が入って来た。

 身の丈2メートルはあるだろうか。大きく鋭い瞳・鷲のような鼻・立派な白い髭――元A級冒険者ドワイト・ダンベルさんだ。


 周囲を見回した彼は、こちらに気付いたのか、スッと右手をあげる。


「すまない、アルト殿。所用があり、少し遅くなってしまった」


「えっと、校長先生の愛弟子って……ドワイトさんだったんですか?」


「うむ。エルム老師とは一時期、パーティを組んでおってな。もうかれこれ三十年前になるか……。あのときは随分としごかれたものだ」


 ドワイトさんはスキンヘッドをポリポリと掻きながら、どこか苦虫を噛み潰したような渋い表情を浮かべる。


「そんなことより、本題へ入ろう。老師より、かなり逼迫(ひっぱく)した状況だと聞いておるぞ。なんでも、旧友が傀儡回廊から帰らんと?」


「はい……レックス=ガードナー、冒険者学院時代からの友達です」


「『万優の龍騎士』か……。確かに、討伐隊のメンバーに入っておるな」


 深刻な表情を浮かべた彼は、「本件について、儂が知っている情報を共有しておこう」と切り出した。


「レックス殿を含めた冒険者パーティ連合が、(くだん)の傀儡回廊に臨んだのは二週間前。数日にわたるダンジョン攻略の末、最上層にて復魔十使と思われる強敵と遭遇。壊滅的な被害を受け、敗走を始めたのが五日前――。これはつい先ほど、遠見(とおみ)の魔術を得意とする、古い情報屋(ゆうじん)から買ったものだ。おそらく間違いないだろう」


「……五日(・・)……っ」


 王鍵(おうけん)による事象の拒絶は、三日以内(・・・・)の出来事に限られる。

 最悪の場合――レックスが死亡していた場合、もはやどうすることもできない。


(……いや、変なことを考えるな……っ)


 レックスは強い。

 そして何より、信じられないほど頑丈(タフ)だ。

 あいつがそう簡単にやられるわけがない。


「アルト殿、顔色が優れぬようだが……大丈夫か?」


「すみません、続けてください」


 ドワイトさんはコクリと頷いた後、懐から簡易的な世界地図を取り出し、それを机の上に広げる。


「儂等が今いるのはここ王都の冒険者ギルド、傀儡回廊は遥か南西の方角、灼熱の火山地帯の中央部に位置する。道中には深い渓谷(けいこく)があるゆえ、迂回ルートを取らねばならん。徒歩(かち)で五日、早馬でも三日はかかってしまう。当然、時間を掛ければ掛けるほど、先行した冒険者パーティの死亡率は上がる。……アルト殿の召喚獣で、時短を図れないだろうか?」


「そう、ですね……。ワイバーンにお願いすれば、渓谷を越えられるので、半日も掛からずに着くかと」


「おぉ、それは助かる。であれば、すぐにでも発とう」


 彼はそう言うと、地図の南西にある小さな街を指さした。


「先も言った通り、傀儡回廊は灼熱の火山地帯にある。畢竟(ひっきょう)、ダンジョン内には火属性のモンスターが跋扈(ばっこ)しておるだろう。まずは麓町(ふもとまち)のダブリスへ移動し、耐火装備を整えてから傀儡回廊へ入る。この流れでよいか?」


「はい、問題ありませ――」


 俺が頷くよりも早く、


「大丈夫です」


「それでいきましょう」


 ステラとルーンが力強く返事をした。


「えっ」


「何を驚いた顔をしているの?」


「当然、私達も行きますよ?」


「いやでも、傀儡回廊は本当に危険なダンジョンで――」


「そんな危険なところへ、アルト一人で行かせられるわけないでしょ?」


「レックスさんを助けたい気持ちは、私達も一緒ですからね。アルトさんが行くというのならば、もちろん同行させていただきます」


 ステラとルーンは頑固だ。

 一度こうだと言ったら、そう簡単には考えを曲げない。


 俺がどうしたものかと困っていると、ドワイトさんが口を開く。


「まぁ、問題あるまい。ステラ殿はB級冒険者『魔炎の剣姫』。ルーン殿は未だC級だが、『表裏の魔女』と知られ、後方支援は一級と聞く。戦力としては申し分ないじゃろう」


「そう、ですね」


 大ベテランの冒険者が、太鼓判を押しているんだ。

 きっとその判断に間違いないだろう。


(それに何より……ステラとルーンは強い)


 ステラはあの術式さえ使えば、まず以って負けない。

 ルーンは表裏の魔法を使えば、ある意味で最強になれる。


 二人の『異質な強さ』は、冒険者学院で一緒に学んできた俺が、他の誰よりもよく知っている。


 だから――きっと大丈夫だ。


「ステラ、ルーン、力を貸してくれるか?」


「当たり前じゃない」


「はい、もちろんです」


 こうして俺たちは、難関ダンジョン『傀儡回廊』の攻略に乗り出すのだった。

なんと今日、本作のコミカライズが始まりました!

コミックガーデンでの雑誌&マグコミでのWeb、同時連載となります!


漫画家あづち涼先生の描くキャラは、かっこよくて可愛くて……まさに文字通りの『王道ファンタジー』!

下の漫画をタップorクリックすれば、無料の連載ページ(マグコミ)に飛ぶので、どうか一度読んでみてください!

そして是非マグコミさんの方でグッドボタン(投票して応援する)をポチッと押し、応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 更新はされるのだろうか
[一言] 更新頻度を上げて欲しい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ