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俺様、スキルを使ってみる


よぉ、俺様だ。海だ。

あのおっさん神王が消えたあと、どうやら俺は気を失っちまったようだ。目がさめると俺はどこかもわからない森の中にいた。テンプレ通りだと俺は無事に転移できたようだな。

よし、まずはいっちょお楽しみのステータス確認といきますか!


「ステータスオープン!」



NAME・カイ


MP・99999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999


SKILL

黒き神の息吹(炎、水、氷、雷)

黒き神の鉄鎚(炎、水、氷、雷)

全知全能の治療光

黒き神のオーラ

神王の黒き魔眼

黒き神の障壁


黒き神王の加護



ふむ、なるほど、無事にチートをもらっているらしい。MPなんて数える気にもならん。

それよか……やったぜ! ついにやったぜ!俺はなんもしてねぇけど!ついに俺様の新しい人生の幕開けだぜ!


よし!テンション上がってきたぁー!!なんかスキル使ってみっか!

とりあえず、黒き神の鉄鎚でも使ってみるかな、どれどれ、炎、水、氷、雷から属性が選べるらしいな。

雷がかっこよさそうだから雷にしよう。標的は〜えっと……あの山でいいか、なんかあって誰かが居ても俺がやったとはばれないだろう。

スキルだからかな、無詠唱でいけそうだ。それっ……


ゴォー!!ビガビガビガ!!ゴォー!!!!

ズゥガアァーーーーーン!!!!


……やべぇな、空から人の拳の形をしたでっかい雷が落ちてきたと思ったら山が消えたわ。



**********


私の名前はエルナンテ、この魔の森林地帯の主である魔族よ。


実は私、前魔王の1人娘でもあるの。前魔王であるお父様がご病気で亡くなられたあと、ドラゴン族のバカ王子が魔王に即位し、私に求婚してきたの!まったく、失礼しちゃうわ!私が服従し愛するのはお父様より強いお方だけ!強さが全ての魔族のくせにそんなことも分からないのかしら!あの王子も確かに強いけど、お父様の足下にもおよばないわ!


だから私は1人で魔王城を抜け出してきたの、幸い私はただの魔族の娘じゃない、魔王の娘よ。人間の国の近くにあるけど、魔物がうようよいて人間でも冒険者しか近づかない、魔の森林地帯という所でどんどん他の魔物や、魔族に力を見せつけて勢力を拡大しているところよ。


今もちょうど、この森林地帯のオーガ族を配下に加えて私の拠点に帰ってきたところよ。私の拠点は幻術で山に偽装してあるけど、とても大きなお屋敷なの。お父様直伝の魔王の障壁を張ってあるから、完璧な防御が施されているの。

……施されていたはずなの…


「なのに、なのになんで、跡形もなく消えてるのよーーー!!」


オーガ族たちを連れて拠点に帰る途中、大きな光る拳が空から拠点に向けて伸びていくのが見えたわ、急いで帰って来たらこの有様よ!!


「お、お嬢……大丈夫ですかい?」


1人のオーガが話しかけてきたわ、こいつはオーガたちの族長、普通のオーガたちも身長2メートルはある筋骨隆々な鬼たちだけど、族長であるこいつは身長3メートルもあり、他のオーガたちは肌の色が緑に対し、1人だけ真っ赤な肌を持っているの。あふれでる魔力、私の前にこの森林地帯の主だった子よ。確かAランク冒険者のパーティーを1人で皆殺しにしたという実力を持っているわ。

こいつにはかなり手こずらされたわ。


それよりも、私の拠点をこんなにした奴を許さないわ!魔王の障壁とはいえ、本当の魔王ではない私が発動させたわけだし、発動させてからだいぶ時間がたっているから劣化していたとも考えられる。それに、大きな魔力を感じないから魔物や魔族のしわざではないわね。私を討伐しにきた人間かしら?

どっちにしろ、これほど大それたことを人間がやるとしたら魔具を使ってね、それもとても大きな魔法石を使った。

攻撃系の魔具は1度使ったらもう2度と使用することはできないし、こんな威力を持つ魔具を2つも用意できるとは考えられない。

どうやってこの拠点の幻術を見破ったかは分からないけれど、必ず後悔させてやるわ!!


「あなたたち!! 配下になってから最初の命令よ!!こんなことをしてくれた不届き者をつかまえてきなさい!!この焼け跡の状態から察するにそう遠くへは行ってないはずだわ!」


「「「へい!!お嬢!!!」」」


私の命令に従い、300を超えるオーガたちは一斉に魔の森林地帯に散って行ったわ。



**********


あーぁ、さっきはやっちゃったなー。そりゃ凄い威力なんだろうなとは思ってたけど、まさかあそこまでとはなぁー。

流石の俺様でも他のスキルを使うのが怖くなっちまったなー


てか、腹へったなー。もう随分と歩いてるけどなんもねーなー。森ばっか。

これ人間のいるところに出れんのか?

こんなことなら食料でもあのおっさん神王に頼んでおくんだったな。


ガサガサッ、ガサガサッ、ドドドッ、


おっ、後ろの方がうるせぇななんかいんのか?



**********


オレの名はダ・ワカン。オーガ族の族長だ。

オレは最強だった。

そして、つまらなかった。

たまに来る冒険者とかいう奴らはオレが棍棒を振るえば体半分がどっかに飛んでって死んじまうし、魔物なんてオレに逆らうことさえしなかった。

つまらない。

いつしかオレは魔の森林地帯の主になっていた。

魔の森林地帯の主と言われ祭り上げられたとしても、オレはとてもつまらなかった。


そんなときだ、お嬢が現れたのは。

この森林地帯で最近名を上げているのは知っていたが、唯の小娘だとばかり思っていた。

しかし、唯の小娘なんかじゃなかった。ハッ、バケモンだ。バケモンであるオレがバケモンだと思っちまうぐらい強かった。

このオレが生まれてはじめて死の恐怖を感じた。

おもしぇ……


オレはお嬢と全力で戦い、そして負けた。

オレは死を覚悟したが、お嬢はオレに配下になれといってきたのだ。

オレのような強い魔物がいれば、お嬢の生活を邪魔する不届き者を消すのに楽なんだとよ。


ハッ、おもしれぇ。

バケモンがバケモンみてぇに強い小娘の配下になるってのも、おもしれぇかもな。


んな事があり、お嬢の配下になったオレたちオーガ族はお嬢の拠点に向かったわけだが、突然、空から光る拳が落ちてきたのを見て、お嬢が先に飛んで行っちまった。

やっとお嬢に追いついたところには、中が焼け焦げている、山が1つ入るようなでっかいクレーターがあった。どうやらここが拠点だったらしい。お嬢、顔に出さないようにしているがかなり怒ってんなぁ。


その後、お嬢からこれをしでかした犯人を捕まえるという命令を受けたオレたち、オーガ族300人は主の命に従い、森林地帯に捜索にでて今にいたるわけだ。


おっとぉ前の方に人間が歩いてんなぁ、弱そうだがもうオレはどんな相手でも舐めてかかんねぇ。お嬢のこともあるからな。

オレは後ろにオーガの精鋭を50人も連れている、1人ひとりが並の冒険者じゃ敵わねぇような猛者ぞろいだ。オレは後ろのオーガたちに目配せで合図をおくる。

あの人間に追いついたら、容赦なく八つ裂きにしろとな。


まずは威嚇であいつに恐怖をうえつけて、身動きを取れなくしてやろう。


「人間!! オレの姿に!!力に!!恐怖するがいい!!」



**********


うおぉ!!なんかでっかい奴らの集団がこっちに走って来る!!


先頭の赤いのがなにか叫んでるなぁ。あれは赤い鎧か?それとも肌が赤い魔物かなんかか?

危なさそうだ、


黒き神の息吹(炎) それっ……



ブアアァァァーーー!!ゴオゴォォォゴゴゴーーー!!!!



俺様の手のひらから炎が出てきたかと思うと、それはたちまちとてつもない大きさになり、まるで炎の波のように、あのでっかい奴らの集団を飲み込んでいった。周りの森と一緒に。


ふぅ……目の前が焼け野原だぜ。ここに緑豊かな森があったとは誰も信じないだろうな。


ちょっと遠くて分からなかったけど、あの集団が冒険者じゃないことを祈ろう。

俺様も異世界に来たばかりで不安なんだ。用心し過ぎるくらいが丁度いいだろう。














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