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まったり城塞都市をつくろう  作者: Kiryo
本当の拠点をつくろう
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防衛戦崩壊

「あんたのためにやったんじゃないんだからね!」


真っ赤になった興里こおりはまあ可愛いが、周囲からは作金者かなたくみ、いや鍛冶師のおっさんが、俺の前で気持ち悪く身をくねらせているように見えているはず。


心底止めてもらいたい。


俺のためじゃないのは知ってるが、興里こおりに【錬成連結】を依頼していたのは俺だ。


どっちとでもいいから、とにかく励め。

と、崖上モットにラブh、もとい約束していた個室を用意しておいた。


「初めて小烏丸こがらすまるとあった時、恋に落ちる音が聞こえたよ」


黙れクソメガネ。

恋人といる時の雪って特別な気分に浸れて僕は好きです風に語ってんじゃねーぞ。

……いや、落ち着こう。


なにやらロマンチックなことを口走っているけど、それ恋じゃなくて沼だから。その生ぬるくてアッタカァイできる沼で、産めよ増やせよ富国強兵してくれ。


一日で式神が六柱なら、一ヶ月で一個中隊くらいまで増やせるな。これはハネムーンの語源よろしく、家に閉じ込めて蜂蜜酒作りと子作りに励んでもらうか。


「この調子で一個大隊くらいまで増やしちゃってください」

もういっそ、式神の国でいいんじゃないかな。


小烏丸こがらすまるが今のレベルだとこれ以上増えないわよ」

もうゆでだこみたいになりながら、小烏丸こがらすまるの裾を掴んでる。


なるほど、想像してる以上の回数はこなしたということか。


女の回数かな。

男だったら絶倫すぎる。


小烏丸こがらすまる的にどっちに見えているかは別にして、どっちがネコでタチかはなんとなく想像してしまう。

うーん、シュールだw


「とりあえずこの子たちは、小烏丸こがらすまる配下の弓式神よ」

真っ赤になりながらも、小烏丸こがらすまるを選んだ興里こおりが、式神について説明する。


弓式神以外にも基本兵種として歩・騎馬・槍があり、それぞれ長槍足軽・軽重騎兵・長弓足軽・重藤弓足軽などのツリーが細分化。


さらに荒御魂を降ろす依り代やレベルによって、乱破とか剣豪とか三河武士とか青州兵とか特殊兵科に発展。

三河武士まじこわい。


いや、青州兵はおかしいだろ。


その他、姫武者とかくのいちとか使いどころがよくわからないのや、種子島・火槍・石火矢・フュージリアなんかもあるらしい。

なんか多機能すぎやしませんかね。

あんちゃんに謝れ。


ただ、いかんせんレベルと素材が足りないらしいが。



「あと雁行陣ってのにすると射程距離が伸びるみたいだから、必要になったら教えて」

おお、雁行は読めるんだな。


あのちっちゃい式神がどれくらいの戦闘力なのかよくわからないけど、遠距離攻撃力が上がるのは助かる。


騎馬式神って馬もちっちゃいのかな。




あんちゃんは悩んでいた。


「各ユニットが着用する衣装が決まらないんですよ!」


ヴァレッタ聖歌隊チャーチ・クヮイアの衣装は、紺地のスカラップボレロに大きなレースの付いた白い襟。

袖からは白い長袖がボレロから見えていて大変かわいらしい。


ヴァレッタ聖歌隊チャーチ・クヮイアとは別に、【ヴァイス】【フレイム】【ヴァルキリア】【サクヤヒメ】【ミューズ】の5つのユニットがあり、それぞれの個性にあった衣装を選ぶことによって、詠唱効果が高まるらしい。


声優ユニットファンかな?


あと舞踊ダンスがビシッと揃うと、追加ボーナスらしい。

なんの追加ボーナスかは不明。


まあ、みんな程よく現実逃避してくれて助かる。

正直やってられないしね。




沼鬼スワンプトロールたちは、昼夜問わず活動しているが、夜の方が活発で、昼間は泥粘漿(スワンプスライム)に包まれるように寝ている個体が多い。


泥粘漿(スワンプスライム)が、壁を超えてきたり壁を溶かしたりしないかと心配していたが、ほぼ動かない模様。


行軍が遅かったのはアイツのせいじゃないかな。


沼にいる時と同様のボーナスが出る的な感じですかねぇ。



外で隠密偵察エスピオナージュしてもらってるハーフエルフのイシルウェさんから、敵兵站についての報告が上がってくる。


糧秣については、付近の人間や動物を狩ったり、使いっ走りが沼とこちらを行ったり来たりしているらしい。


狩られたのは、砦を目指して途中で捕まったか、合流する気がなく隠れていた人間か。


単体で使い走りしている沼小鬼スワンプゴブリンは、絶対に見つからないと判断できれば排除するよう命じる。


敵の兵站状況を考えれば、長期戦はおそらくない。


包囲される前、認識阻害の魔眼イビルアイを使ってまでこちらを伺っていた程度に慎重だった割には、今回の包囲攻勢が馬鹿すぎる。


どうもちぐはぐというか、違和感が拭えない。


向こうからしたら、1ヶ月前には何もなかった場所にいきなり砦ができて、どんどん大きくなっていく様を見て、恐怖を感じたのかもしれないけど。


まあ、考えてもわからないことはスルー重点。



輝く月 5 夕刻

包囲シージ3日目。


「第一防衛線が突破されたようです」

夕刻、第二防衛線に残したハーフエルフのクーリンディアさんから連絡が入る。


おう、戻りますよ。

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