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まったり城塞都市をつくろう  作者: Kiryo
本当の拠点をつくろう
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防衛準備

輝く月 2


昨晩の会議で脳内にある防衛計画をお披露目しておいた。


「外壁を第一防衛線に設定するが、防衛線が冗長になりすぎるので放棄予定。小堡バービカン内部に罠を設置して、市庁舎シティ・ギルド前に第ニ防衛線を張る。市庁舎シティ・ギルドの上からの攻撃で(ダメージを与えられるか不明だが)できるだけ数を減らす。そこを突破される場合は、ヴァレッタ島にて籠城」


その他、各自の持ち場、指揮系統など簡単に説明して皆で詳細を詰めていく。



会議終了後、ザシャ先生と五虎退ごこたいを護衛にして例のマグマを大量採取。


マグマだらけのインベントリの中はとんでもないことになるわ、マグマ回収用バケツ作成で鉄の在庫がなくなるわで不安が広がるが、石炭も木材の在庫もそれなりにあるので火の確保は問題ない。

火気養生は、火の精霊サラマンダーの声が聞こえるドワーフたちにお願いする。



早朝から小堡バービカンの住民たちを、主塔ベルクフリートのある中庭ベイリーの宿舎まで退避させる。


3m級の沼鬼スワンプトロール対策として、高さ7m、気分が乗ったところは空堀合わせて10m以上にして可能な限り土塁増強。

厚さを2m以上にして固めておけば、クッコロ騎士団の巨人たちでも、簡単に突破されないのは確認した。



外周の整備が思ったより早く終わったので、そのままの勢いで複数の小堡バービカンからなる迷路状の内部を迷宮化。

迷宮と言っても二股にしか分かれないけど。


迷宮内部へ誘導させるように、南側の小門一つを残して他の小門は全て石壁で塞ぐ。


迷宮はだんだんと狭くなっていき、視界と判断力を鈍らせる。(バカだから目に見えていること以外、判断なんてしないとみんなが口を揃えていたけど)


途中から小さな個体しか通れない道と、大きな道の二股にしておく。


小さな道は徐々に階段状に下がっていき、最終的には20m以上の落とし穴へ続く。


釣り餌代わりに豚を置いて、ついでに落とし穴の下にマグマも設置。


俺の完璧な脳内机上理論通りなら、あるいは相手がものすごくバカだったらレミングス状態になってくれるはず。

なってくれるといいなぁ。



大きな道は、第ニ防衛線の市庁舎シティ・ギルドを拠点とした南橋手前、高さ10mの土塁に囲まれた窪地に繋がる。


窪地には落とし穴を用意。

窪地の下まで地下坑道ダンジョンを伸ばしておき、マグマトラップを仕掛ける。

時限式にする方法はないので、地下坑道ダンジョンの天井を薄くして、沼鬼スワンプトロールたちの自重で落ちることを期待。

まあ落ちない場合は手掘り対応。


ついでに内周に燃えやすい藁で敷き詰める。


15m以上の高さを誇る市庁舎シティ・ギルドの上からは、窪地がよく見渡せるので、ここから攻撃し放題。

火矢で藁に着火できれば、ダメージはともかく混乱はするはず。


窪地が突破されるようなら、前衛は市庁舎シティ・ギルドに火を放って放棄。

三階に設置した非常口から、橋の手前に増設した小堡バービカンに逃げ込む。


この小堡バービカンは前衛が市庁舎シティ・ギルドから安全に退却するためのものなので、市庁舎シティ・ギルド同様に死守は不要。

ここも放棄して、島に渡ってからが本格的な籠城戦になる。




あとは、島側の城壁塔フランキングタワー幕壁カーテンウォールをギリギリまで強化してまわる。

おかげで釣り小屋フィッシャーマンズハットは取り潰し。


沼鬼スワンプトロールは川より沼を好むが、苦にはしないらしく、厄介なので、島全体の土塁を石壁の幕壁カーテンウォールに差し替えて補強しておく。


実は見張り塔周辺と、主塔ベルクフリートのある中庭ベイリーへの侵入はできないよう、幕壁カーテンウォールが囲っているが、島全体を城壁で囲っているわけではない。武装した人間が大挙して登れるものではないので、絶壁な箇所は自然の要害を頼りにしていた。


妖精の番犬クー・シーのクロンさん曰く、近くに来た敵は排除するとのこと。

怖いけど頼もしいね。




さて、モットーくんから再三要望されていた、扇動アジテーション中庭ベイリーに住民を集めて試みる。

人前でプレゼンとか苦手なのに。



「聞けっ! 我が同胞はらからたちよ、聖ウェヌスの子らよ」


「我らが同胞はらから、マクダを無残に食い殺した沼鬼どもが大挙してやってくる!」

マクダという言葉に広場にざわめきが広がる。


「これを復讐の好機だと考えないものは、今すぐこの砦から去れ!」

「今を逃せば、逃れるときは失われるだろう!」


「これから始まる戦いは撤退戦よりよほどましな防衛戦だ! だが安心して死ぬまで戦え!」


そして、今日生まれたばかりの双子を政治利用。

「初のイル・ベルト生まれの子供たちだ! 我らが負けるということは、後ろにいるこの子供たちが死ぬということだ!」


「我らは天に召されたマクダと聖ウェヌスに約束をした」

同胞はらからを殺した者に必ず報復すると!」


「我らを殺しにくるものを許さない! 必ず彼らに死を与える! 粉砕する! 斬り刻む! 絶対に!」

「聖ウェヌスに栄光あれ!」(成功率70% ダイスロール成功)

「「「聖ウェヌスに栄光あれ!!」」」



疲れた。

したこともない演説をぶってみたけど、駄女神の名前のおかげか思った以上に効果的だった。

気がする。


もともと神託によって集まってきたせいもあるのか。


それにしても全く柄じゃないアジり方だと我ながら思う。

籠城戦の一番の敵は、飢えと士気低下。


内部崩壊なんてできるなら避けたい。

主に自分の精神の安定のために。

あとアジる時は"我々"を使うって昔、誰かが言ってた。


こんなことでみんなが気持ち良く死に臨めるようにできたかはわからないけれど。


嫌だ嫌だ。

自殺したくなるくらいには。

輝く月 24


住人数についての報告

報告者:モットー ドリュアス


移住希望者:1名

猫人ケット・シー(1)



死亡:2名

アルフォンス(人間 男性32歳)

死亡理由:戦傷


ゴットホルト(人間 男性34歳)

死亡理由:戦傷



住民総数:115

内訳:

招来者ブリンガー:3

人間:92

ドワーフ:8

ハーフエルフ:3

人狼ライカンスロープ:2

熊猫人ウェアパンダ:2

吸血鬼ヴァンピール:1

人虎ウェアタイガー:1

龍人ドラグメイド:1

猫人ケット・シー:1



以上


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