国造の精(スクナビコナ)
ザシャくんが資料を音読したりモットーくんが音読したり。
難民について説明を受ける、文盲な俺。
モットーくんにラテンアルファベットを説明してみると、IとJ、UとVあたりでいまいち通じないので、おそらくルーン系だと思う。
これは早晩、モットーくんがラテンアルファベットを覚えてくれたら、なんとなく読めるようになるかもしれない。
俺の英語力は皆無だけど、ニュアンス的な意味で。
あとTOEIC800以上らしい興里を呼んでくるとか。
ただ、ところどころ通じない部分もあるので、単語自体が違う場合は結構厳しいかもしれない。
pendingがpendienteくらいなら、祖語つながりで理解できるかもしれないけど、penがPPAPとかだとイミフだよね。
「ちゃんと聞いてください」
「アッハイ」
妄想してたらザシャ先生に怒られた。
「各氏族の代表者との面談、及び司祭様その他、個人でも面談を希望される方が何人かおられます」
「可能なら、先に国造の精と話したい」
「畏まりました。代表者との面談は明日以降に調整しておきます」
モットーくんに国造の精を呼んでもらう。
何しろ国造の精。
会わない理由がない。
国造でも国造でもどっちでもいい。
しかも日本神話系の名前! 荒ぶる!
青空のもと国造の精との集団面接。
「えーと、報告とかなり数が違うみたいだけど」
報告書には5とあったはずだけど、目の前にいる数はおよそ20。
「申し訳ございません。妖精精霊の人数を数えるということ自体間違っていたのかもしれません」
興里の和装ともまた違う、白装束の国造の精たち。
コボルトよりも小さな身長だが、最近彫りの深い人種ばかりと顔を合わせていたので、平たい顔に必要以上に親しみを感じてしまう。
一寸じゃないけど一寸法師みたいでかわいい。
一寸法師、じゃなくて国造の精の代表が話しかけてくる。
「報酬は女を用意しろ」
下衆の極みきた。
モットーくんがひと睨みすると、手のひらを返すように態度を変える。
「やだなぁ冗談ですよ。これは手土産にございます。我々が導けば、さらなる財宝が手に入るでしょう」
目の前にはサンゴやら真珠やら海の幸が並んでいる。
「モットーくん、こいつら多分大嘘つきだけど、うまいこと扱えそうなら預けるよ。必要ならクッコロ騎士団の巨人を何人か手伝わせるから」
「ご希望とあれば」
手土産は受け取らないでおく。盗品の可能性大なので。
すごい形相のモットーくんに国造の精たちが連れて行かれた。強制連行。
「えーと、今度は何ですか?」
「国造の精は酒造とか医薬とかの神様で、俺がいた国の国造りの協力神だよ。」
さらに続ける。
「油断するといろいろ乗っ取られかねないくらいの、いわゆる知恵者なんだけどね。モットーくんならうまく扱えるかもと思って」
大国主と少名毘古那みたいに巨人と小人のセットは定番なのでクッコロ騎士団から何人か見繕ってモットーくんの背後に立たせておくか。
手篭めにされても自己責任ということで。いや希望どうりか?
「フェデルマ」
クッコロ騎士団筆頭の賢者を呼ぶと、どこからか姿を表す。
巨体をどこに隠していたかは不明。
「戦いの三女神をつけておきましょう」
そう答えると、姿が消える。
名前を呼んだだけで、用事が済んだ!
なんか俺かっこいいw(勘違い)
そして一寸法師の中に一人だけ異質なのが混じっていた、170cmはある異質な美人が残る。
スクナビコナと一緒の女神みたいな美人で思いつくのは神産巣日神あたりだけど、格好からしておそらく違うのでスルーしてた。
紫色のターバンに赤いハイビスカス。
赤と紫を基調とした琉装。
「私はフルヌカンのフールーと申します」
フルヌカン?
えーと、どっかで聞いたな、どこだっけ?
あ、思い出した。
「トイレの神様!」
沖縄の神様だ。
「歌詞は絶対に出しちゃダメですよ? すぐBANされますからね。J○SRA○帝国に」
世知辛い。
あと、歌詞わかんないから。
モットーの報告書
輝く月 2
住人数についての報告
報告者:モットー ドリュアス
出産:2名(双子)
人間(2)
追加難民:1名
人間(1)
住民総数:110
内訳:
招来者:3
人間:88
ドワーフ(8)
人狼(3)
ハーフエルフ(3)
熊猫人(2)
ヴァンピール(1)
人虎(1)
龍人(1)
住民総数:107
備考
初のイル・ベルト生まれは双子。
親から名付けの希望あり。
以上
次回はトイレ回になります。
来週のお昼頃更新予定なので気をつけて!




