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まったり城塞都市をつくろう  作者: Kiryo
拠点をつくろう
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しばしのお別れ

ファサールさんたちが俺を置いて出て行った。

三行半ではない。


「東の森を抜けてみようと思っていたのですが、難民の話だと南に漁村があるということなので一旦そちらを見てこようと思います」

キラッキラした瞳でファサールさんが別れの挨拶に来た。


「いつでも戻ってきてくださいね」


「どれくらいになるかわかりませんが必ず。案外すぐに戻ってくるかもしれませんけどね」

相変わらずアラブの王子さまみたいなイケメン笑顔爆ぜろ。じゃない。道中の無事を祈る。



「モットーをお預けします。将来は執事バトラーになるべく教育しておりましたので、近侍ヴァレットとしてお使いください」

「何なりとお申し付けください」


なんか、近侍ヴァレットきた。

そしてなぜか、従騎士エスクワイアのザシャくんと近侍ヴァレットのモットーくんが火花を散らしている。

どうしてこうなった。


「お戻りするまで、大切にお預かりします。どうぞご安心を」

これは多分情報収集が目的。商人マジ怖い。


でも、ファサールさんのお屋敷はもうちょっと後になるかな。ごめーん!



興里こおりたちは、鍛刀たんとうするのに必要な素材を手に入れるため、昼間はコボルト鉱山にいることが多い。


自身のルーム【鍛冶小屋】があるので鍛冶小屋ブラックスミスハットを用意する必要はなくなったが、石切場クオリーやら素材置き場やらは用意しておく。

主にコボルト用に。


刀を作るには通常、刀鍛冶以外にもタタラ師や・彫師・鞘師など段階ごと分業されているが、おおよそ【鍛冶小屋】でできるらしい。


時折コボルトが剣虎サーベルタイガーの白雪と歌いながら手伝っているのを見かけるが。

「「ニギャー」」


「そういえば甲冑は作れる?」

「できるわよ」

自信満々に胸を張る興里こおりに、今まで集めた素材から抽出したり錬成しておいた、カーボンやらコバルトやらタングステンやらの素材を見繕って作成依頼しておく。


さすが、長曽祢ながそねの名前は伊達じゃない。


インベントリマジすごいけど、ケ●ラー繊維はつくれなかった。理由は多分商標の問題。


ミスリルはひらがなだからおk、って人もいるけど翻訳物にも適用される法律ってのがあるから多分真っ黒に近い鈍色。ミスリルのフライパンつくるぜ!


カーボン繊維とインベントリオリジナルのスペクトラケプラー風繊維とか色々組み合わせてゴニョゴニョしてくれることに期待。


白装束の胸あたりに視線がいかないよう努力するが、他の人間には鍛冶師のおっさんに見えてるんだよな。

オカマキャラ?


お代はコバルト鉱山の素材とお家。

ついでにコボルトたちへの謝礼(白いパンと牛乳)の用意をお願いする。


マウロ爺さんに聞いた話では、コボルトが人間の女性を孕ませたりすることもあるらしいが、ゴブリンと違って純愛らしいのと、興里こおり自体が彼らにはおっさんに見えるらしいので問題なし。多分。




あんちゃんは、土の精コボルトスターズのパフォーマンスが子供たちに好評らしく、講師としてみんなにレッスンをしている。

笑顔が輝くイケメン爆ぜろ。

こっちはこっちで、かわいい女性に見えているらしいが。

優しい女教師かな。


発見だったのは、あんちゃんの指導で詠唱うた舞踊おどりが上達すると、土の精コボルトたちの精霊魔法の効果が目に見えて上がったこと。


具体的に言うと、より部屋が短時間で綺麗になるとか金運がアップするとか。風水的発想。


コーネリアスとシーラが子供たちに、下級の精霊と契約させて精霊魔法を教えると張り切っていた。

今は青空教室だけど、そのうち学校もつくらないと。魔法学院かな。


クッコロ騎士団は、住民とどんちゃん騒ぎした後、上に戻っていった。

何しにきたんだよ。



移民が増えて問題も起きているらしいが、有能な近侍ヴァレットのモットーくんに諸々お願いして、従騎士エスクワイアのザシャくんとお出かけ。


作業途中だった南橋に門を設置し、左右に側防塔フランキングタワーを増築。


作業をしている間、ザシャくんに話題を振ると家族の話をしてくれた。

地主貴族ジェントリの父と、彼の父に使える聖ウェヌス騎士団長ヴィルヘルム。


ザシャくん自身も、数日後には騎士爵位授与アコレイドを受けて、正式に騎士の身分を持つ予定だったらしい。

14歳なのにしっかりしているのは、そういう身分と教育によるものと言うことか。


一息ついて休憩していると、ザシャくんが居住まいを正してこちらを向く。

「ひとつお願いがあります。私をバァンさんの従騎士エスクワイアとして、正式に任じていただけないでしょうか」


「あー、断るよ」


「エーーーーッ、即答ですね(苦笑)」

相変わらず可愛いなぁ。



「俺は騎士じゃないし何も教えられないよ。ザシャくんはもう立派な騎士だと思うし。ここには王様とかお父さんはいないけど、俺でよければ君に騎士爵位授与アコレイドさせてもらうよ」


バフッ!

うぉ! 強烈なハグされた。ダメージ4。

ザシャくんのハグはこれで二度目だったかな。

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