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まったり城塞都市をつくろう  作者: Kiryo
拠点をつくろう
73/120

緑青(ろくしょう)色の牡牛

半海豹セルキーのセシュさんに同行してもらい、遠目でこちらを伺っていたウミウシ。もとい、人魚メロウの部族長の息子の牛(わかりにくい)を迎えに行く。


人魚メロウの部族長の息子の牛(わかりにくい)に同行を願い出ると、快く応じてくれた。任意同行。


「こちらが(くだん)の牡牛です」

牛だけに!


妖精の女王ティタニアメイヴに、生贄を差し出す我がパーティ。

責任分担。


「ほぉ! これはなかなか。なるほど、バァンでかした。 そちも悪よのぉ」

「いえいえ、メイヴ様ほどでは……これで七年にもわたる争い(想像)にも終止符が打たれることでしょう」

越前屋から袖の下を受け取る悪代官的発想。山吹色の菓子。いや、緑青ろくしょう色の牡牛。


「離婚調停もこの牡牛があれば解決じゃ」


おもむろに人魚メロウの部族長の息子の牛(わかりにくい)に近づき、燃えるような赤銅色の角を掴んで皮を剥ぐ女王メイヴ。


「「!!」」


そこに現れたのは、解体作業を待つ人魚メロウの部族長の息子の牛(わかりにくい)ではなく、緑青ろくしょう色の髪をした美しい全裸の少年(推定16歳)。


「しかも人魚メロウの変異種ときたか!」


キャー○び太さんのえっちー!

違う。

牡牛じゃなく人魚メロウだってバレた。やばい。


死んだね。

これは死にましたわ。ええ。

嗚呼、短ぇ夢(温泉)だったな……。


ってか、あれのどこが半魚人ギルマンなんだよ。

ちょっと、神がかった美少年なんですけど。


あと、俺以外美形ばかりなの、いい加減にしてほしい。

頷いているマウロ爺さんは仲間かもしれない。



「い、いきなり何するんですか! その毛皮、ぼくの毛皮返してくださいよー!!」


牛皮を高々と振り上げて、美少年をからかう大女の図。


「ハハッ!これは良いものじゃ」


カンラカンラと打ち笑う妖精の女王ティタニアメイヴ。

某鼠の笑いにも似た恐怖感。



「ちょっと待ったー!」

おーっとここでセシュさんから、懐かしのちょっと待ったコールだー!


いや、だから若い子には伝わらないから。


この後、大・どんでん返し!ってやられても、それはそれで困るんですがそれは。

うーん、マジで失敗したかも。どうやって逃げようか。


三人で喧々囂々けんけんごうごうしていたので、少し離れて推移を見守る。

執行猶予中。



しばらくして、妖精の女王ティタニアメイヴがゆっくりした足取りでこちらへ向かってくる。

殺されるなら痛くないのがいいなぁ。


「話はついたぞ」

それは何より。


「三人でしばらくしっぽりすることになった故、後のことはそこなワンコに尋ねるが良い」

緑がかった黒い毛の犬、妖精の番犬クー・シーを指差し、消えていく三人。御休憩的な。



……えーと。とりあえず死亡回避ってことかな?



「我が名はクロン。何なりとお申し付けを」


「バァンさん説明をお願いできませんか」

納得いかない顔のザシャくんに説明する。懇切丁寧。


「旦那の牛と自分の牛、どっちが優れてるかで争ってるんだよ。多分。離婚調停ってのはよくわかんないけど」


「そんなことよりクロン!」

今まで沈黙を守ってきた浴槽の精ヴァンニクのヴァーニャさんが勢い良く立ち上がる。


「モフモフ撫でてもいい?」

「ご随意に」


「ふにゃー」

蕩けそうな声でクロンの背中に乗るヴァーニャさん。幸せそう。

ワンコかわいいよね。


ちょっと何をどうしていいのかわからなかったので、ヴァーニャさんが満足するまで待ってみる。

俺も撫でたかったけど、近寄ると低く唸ってくる気がしたので自重。

ザシャくんはいいのに、何で俺はダメなんですかね。



三時間ほどしてから、泣きべその美少年とツヤツヤで満足げな美女二人が戻ってきた。

「……もう、お婿にいけない(涙)」


延長戦ご苦労様でした。

モチーフは全然違う話になってしまいましたが、クアルンゲの牛捕りとかクーリーの牛争い。

地名識とか。



モットーの報告書

鹿狩りの月 27


住人数についての報告

報告者:モットー ドリュアス


追加難民:1名

人間(1)


住民総数:107

内訳:

 招来者ブリンガー:3

 人間:86

 ドワーフ(8)

 ライカンスロープ(4)

 ハーフエルフ(3)

 ヴァンピール(1)

 ウェアタイガー(1)

 龍人ドラグメイド(1)



備考

種族間対立の報告複数あり。要対応。


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