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まったり城塞都市をつくろう  作者: Kiryo
拠点をつくろう
69/120

アザラシ

モットーの報告書

鹿狩りの月 21, 01


追加難民及び死亡報告

報告者:モットー ドリュアス



住民総数:103 (古き神々は除く)


追加難民:1名

ウェアタイガー(1)


死亡:2名

カルラ(人間 女性)

死亡理由:老衰


ミルコ(人間 男性)

死亡理由:傷の悪化(過去の戦闘による)


以上



ブクマ見るたびに103>104>103だったので、こんな感じに。

正確な動きが取れないので。


判定について(1D100)

どの種族が14へ行く(死ぬ)かは人口比パーセンテージロール。


ファンブル

99で主要キャラ死亡。

100でメインキャラ死亡。

100が3連続で主人公死亡。


ブックマークした(してる)報告と合わせて希望種族をいただければ、参考にしたりしなかったりしますです。

「あんたの希望を言ってみなさい」

浴槽の精ヴァンニクのヴァーニャさんが腕組みでふんぞり返る。俺より背は小さい。

とにかく大きい花冠を被った長い銀髪のヴァーニャさんちょーかわいいけど怖いよ。


「希望ですか……うーん、そうですね」

何を悩んでいるのか言葉にしてみる。そしてなぜか敬語。いや妖精だか精霊だしいいのか。


「砦の外に大きなものをつくりたい気もしますし、内側にも欲しいんですけど川を挟んでいるっていうのもあって温泉をひけなくて悩んでました。城塞も手がつかない状態で、温泉用の水道工事までなかなか手も頭も回らないのが現状ですかね」


「説明長い。三行以内に」

怒られた。


「要するに、外側と内側両方で温泉が使えるようにすればいいんでしょ、私に任せなさい! ただし、報酬を忘れたらひどい目にあうからね」

お!いきなり悩み解消の予感。

得られるものが破格すぎて、等価交換な気がしないが向こうが満足ならいいのか。どうだろう。


「じゃあ行くわよ、バァン、マウロ!」

「わしもかぃ!」




パーティクルを煌めかせながら良い香りを振りまきつつ、歩くと言うより浮くように進むヴァーニャさん。


今まで出会った妖精とはなんだったのか。


ヴァーニャさんを先頭に砦へ戻ると、南橋周辺にバラックがちらほら立ち始めていた。

ファサールさんの商隊のメンツが行ったり来たりしている。


「神託の後から、ここを目指してくる難民が増えています」

こちらを見つけたモットーくんが説明してくれる。


「バァン様が戻られるまで、ひとまず橋の外に仮設の設置を許可いたしました。問題がある場合は撤去させます」

この子は本当に10歳なのかしらん。


「いや、ありがとう。魔物よけの壁は早めに用意するようにするけど」

そう言いながら、インベントリから大小さまざまな石やレンガ、木材を取り出す。

「これ使ってもらっていいから。何かあれば知らせてください」


「畏まりました、物資の確認及び難民の数その他調査次第報告書にまとめて提出いたします」

10歳の少年に丸投げしちゃった。

っていうか調査報告書なんて言葉、自分が10歳の時には絶対使ったことない。

本当に10歳?


ちなみに成人は地域によって違って15歳前後らしい。

隣にいる精霊たちを凝視したりもしないし、ファサールさんの教育の賜物なのかモットーくんは相当に優秀なんだと思う。




「ここ、温泉出るわよ」

指差した場所は、南橋近くにつくった畑の横にある川沿いの窪地付近。


「そうじゃな、ちょいと掘り進めれば問題なく湧いて出るぞい」

【朗報】砦近くに温泉出るってよ。


「砦の外の浴場はここでいいわ。大きめにつくりなさい。問題は島の方ね」

ヴァレッタ島の崖を眺めながら、考え込む浴槽の精ヴァンニクのヴァーニャさん。あと浴場の場所が決定してた。

こちらの意見は聞かないらしい。反論もないからいいんだけど。


あと、崖登るのしんどい。

ヴァーニャさんとマウロ爺さん、あとザシャくんは苦もなく登っていくのに。


「下層にマグマは流れておるが、この湧水は地中と関連がないのぅ」

顎鬚をひねりながら水の精ニクスのマウロが唸る。


「そもそも島の規模と水量が合っとらん。むしろこの湧水は別の精霊の管轄じゃろ」

「そうね、大きな島じゃないし、確かめてみるわよ」

ちょっとまって、置いてかないでw



ヴァーニャさんたちについて、北側に進むと眼下に入江が見えてくる。

「あそこ、何かいるわ」


上から入江を眺めても何も見えないが、ヴァーニャさんたちはどんどん進む。

ザシャくんと顔を見合わせながら遅れないようについていくと、入江に一頭のアザラシが寝そべっていた。


「アザラシですよね?」

「アザラシだよね。なんだ埋めてアザラシと海鳥の漬物キビヤックにでもするのかな?」

俺たちの疑問に不思議そうな顔をしながら、アザラシに近づきその皮を剥ぐ。


「「!!」」


そこに現れたのは、解体作業を待つアザラシではなく、亜麻色の髪をした美しい全裸の女性。

「ただの半海豹セルキーだったみたいね」

キャー○び太さんのえっちー!


「い、いきなり何するんですか! その毛皮、私の毛皮返してくださいよー!!」

「えーと、泉とは関係ないってことかな」

「そうね、ハズレだわ」

そう言うと、毛皮を俺に投げつける。非道い。


目の毒なので、毛皮を半海豹セルキーに返しておく。

半海豹セルキー

スコットランド、アイルランド神話などに現れる妖精。

アザラシの姿で海を渡り、陸では人間の姿をする。

アザラシの皮を隠して妻に娶れば良妻賢母となるが、実は人妻。

皮を返すと海に帰る。


羽衣伝説系、白鳥処女説話系異類婚姻譚。

多分モデルはアザラシの皮を干していたイヌイットの女性。

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