共同浴場をつくろう
いつものごとく、ザシャ先生に周辺を警戒してもらいながら温泉探し。
よーしパパ温泉探しちゃうぞー。
マグマを中心に、周囲をあんちゃんと二人して人間ボーリング(四角)することかれこれ1時間。
「なんかもうマグマばっかりですね」
そう。掘るとすぐマグマ。次もマグマ。またマグマ。
マグママグママグママグママグママグマクマ。
キーボードのHとJを見るクマ。(フリック除外)
重労働というわけではないのに、危険と落胆で徒労感ハンパない感じ。
何度マグマにダイブしそうになったことやら。
掘ってはマグマ。そして(危ないので)埋め直す。
なんだかんだで、崖の間は半分以上掘っては埋めた気がする。
「なんかもう危ないんで、この辺でそろそろやめにしませんか?」
日和るあんちゃん。男らしくない。
「俺も山師って柄じゃないしな」
同調する俺。しょうがない。
なぜかよくわからないけれど、ボーリングの最中ずっと近くをうろついていた、野良ウシや野良ブタ親子がこちらをチラ見していく。
ギャンブルもやらないつまらない男っていいたそう。そんな目で見ないで。
結論。
温泉は出ない。
まあそんな都合よく出ないよね。
「だいたい、このマグマどっから来てるんですかね」
左右の崖は、火山というには小さすぎる。
「ぱっと見、近くに高い山はなさそうだし、地下のマグマ溜まりとかじゃね? それが地表まで出てきているとか。 そういえばゲームって丸い惑星なの?」
「端っこがあるって言ってましたね。 その先もあることはあるんですが、半透明な壁があって、先に進めないようになってました。チートかなんかで無理やり入っていくとダメージ受ける動画がありましたね」
「もしワールドが無限なら丸い惑星ってことはありえないよね、あれ? 端があるけど無限ってどういうこと?」
中途半端な知識の二人だからね、しょうがないね。
地面は4頭の巨大な象に乗ってて、さらに大きな亀の背中にのってて、天空はアトラースが支えるんだっけ。
あっ、アトラースのことを考えてたら、黄金の林檎の事も一緒に思い出してしまった。
ウェヌス様の菜園にはないのかな。
この世界の地殻とかマントルとか、一体どんな構造になっているのやら。
まあ、そこはゲームだから!
とか平気な顔で言いそうな駄女神の顔を思い出そうとするも、あまり興味がなかったせいかイマイチ思い出せない。
多分、涅槃のポーズで鋼鉄に囲まれた美人だったと思う。
嫌なことで気持ちがモヤモヤした時は、その理由を解決する。
解決ができない場合は、頭から追い出す。
それが俺のジャスティス。
閑話休題。
「最後にこの崖の上から直下掘りして、それでダメなら別の方法を考えよう」
「だから直下掘りはしませんよ」
そう宣言して、二人で槍の穂先崖とは反対の崖に登って掘ってみる。
登ってみると崖というより、15mほどの丘。そして腐った卵のようなニオイ。
「くさっ!」
顔をしかめるあんちゃん。
「ああ、硫化水素臭だねー」
そのニオイは丘の向こう側の、熱気を含んだ湯気の立ち上る自噴泉から流れ出していた。
砦から200mも離れていない場所に温泉がありました。
はぁ、徒労乙。
後で気がついたけど、水の入ったバケツをインベントリで温めるとお湯になるので、個人用のお風呂ならそれでもよかった。
まあ、温泉を掘り当てたので結果オーライということで。(掘り当ててない)
次回はあそこに共同浴場をつくろう!
『かぐや様は告らせたい』の1話が大好きだ。




