お風呂回 1
お風呂に入りたい。
気持ち悪い。
なんでもいいから気分を変えたい。
朝イチから裸で川に飛び込んだりしてみたりする。
気持ちいいけど、コレジャナイ。
というわけで、どうにかしてお風呂をつくりたいと思います!(パチパチー)
古代ローマにはボイラーがあったって、彫りの深い人が映画で言ってた。言ってたかな?
お風呂を沸かすといえばボイラー。
ボイラーとかまどは何が違うのか?
要は、かまどの上で水を温めて、それをお風呂に流せばいいんだよね。うん。
なるほど、わからん。
かまどはインベントリですぐできるけど、ボイラーなんてつくれる気がしない。
温かい水蒸気を使って、建物全体を暖めるのにも使ってたとかいう古代ローマ、マジオーパーツ。
水を温めるあたりの、モヤモヤっとしたところの構造がわかればつくれるとは思うんだけどな。
ネットがあればすぐイメージ検索できるのに。
まあ、いろいろ自動な機能がなかったら、誰かが火の番をしなきゃなんないよね。めんどい。
まあ、最悪五右衛門風呂ならすぐできそうだけど。かまどと釜を一つにして、木の板を浮かせればいいんだよね。
それ以前のお湯を作り出すための火力として、偵察隊が近所で見つけたというマグマ!
を利用してなんとかできないかなと妄想してみました。
マグマって1000度とかあるんだから、水くらいすぐお湯になるべ!なるべ!
水を温めるあたりの、モヤモヤっとしたところの構造については後で考える。保留。
問題は1000度もあるマグマに近づけるものなのか。
そして、水道を引けるのか。
早速、ザシャくんとあんちゃんを引き連れて、マグマがあるという場所に進む。
斥候さんの話によると、川を渡ってすぐ南西にある崖の裏側。
2日目あたりでサボテンの爆破から奇跡の生還を果たした、あの崖の裏あたりらしい。
川を渡り栄光の崖にたどり着く。
結構な高さがあったので、もっと大きいかと思っていたが思ったより小さく、薄い槍の穂先みたいな崖がそそり立っていた。
崖の裏側に回ると、空気が変わりマグマが見えてきた。
本当にすぐ近くだった。砦から100mとちょっと。
崖で見えなかったとはいえ、引きこもりすぎて周辺状況が全くわかってなかったな。
近づくにつれて、だんだん暑くなってくる。
ただ想像してたほど暑くはなく、マグマのすぐそばまで近寄ることができた。
マグマの向こうには、砦横を流れる川が海の方へ流れるのが見える。
「……そういえば、マグマってバケツで採取できるらしいですよ?」
「あんちゃん、それはもちろんゲームの話だよね?」
「「……」」
いやいや、あの真っ赤に蠢くマグマにバケツを手で突っ込んでマグマ採取とかイヤだからw
マグマから少し離れて、3人だけど車座。
目の前には鉄でできたバケツ。
「イヤです」
「まだ何も言ってないよ」
あんちゃんが顔を引きつらせる。
「どうせぼくに、あのマグマを取ってこいとか言うつもりなんですよね」
「取れるって言ったのは君ですしね」
「実況で見たって言っただけですよ!」
「あの、」
「あ、ザシャくんはいいんだよ。危ないからね」
「ぼくだって危ないですよ!」
全くもって本当に男らしくないな、コイツは。
「バァンさん、その、あんまり女の子をいじめるのは良くないと思うんです」
ん?
……女の子?
ああ、あんちゃんか。
コレって、俺たち以外には女の子に見えるんだっけか。忘れてた。
「えーと、こいつ男だよ?」
「は?……えっ、エッーーーーーーーー!」
なんかすごい驚いてる。可愛いやったー。
「ほ、本当に男性なんですか?」
「あ、はい。 えーとごめんなさい」
「いえいえ! こちらこそごめんなさい、失礼しました」
ぺこりと頭を下げるザシャくん可愛い。
あんちゃんも頭を下げてるが、それはどうでもいい。
なんだか、ザシャくんがあんちゃんの胸元とか腰元とか色々見てる。
可愛いなぁ。
「なんかね、呪いみたいなのらしいよ? 体は女だけど中身は男的な。 ちなみに俺には男にしか見えないんだけどね」
「はあ、なんだかすごいですね」
ザシャくんから、何だかよくわからない感想が漏れる。
うん、俺もわからん。
危ないから真似しないでください。




