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三匹の侍(金色)

やばい、すごく面倒くさい。


何とかなりませんか? じゃないよ。

いや、ユリアちゃんのことを考えれば、確かにその通りかもしれないけれどさ。


酷いことを考えているのは自覚しているけれど、命かかってるし。

気持ち的にはやっぱりぼっちが楽だよね。


「うーん」

しばし思案した後、安請け合いしてみる。

「とりあえず、外のゾンビを何とかしましょうか」


「「おおっ」」

おおっ、じゃないよ。全く。ただ、可能であれば脅威は排除しておきたい。


「何か作戦があるのですか?」

ザシャくんの問いに、

「お二人には、お手伝いをしていただきたいのですが、お願いできますか」

と聞き返すと、二人は力強く頷く。

この二人、きっといい人なんだろうなぁ。俺と違って。


軽いため息を吐きつつ立ち上がる。

「では、暗くなる前にちゃっちゃっと片付けますか」




二人を主塔ベルクフリートに招き入れ、インベントリにしまってあった、金の防具を渡す。

「すごく目立ちますけど、使ってください」


「えっ!?」

「い、いいんですか?」

ゾンビがドロップした装備だって言ったら嫌がられるかなw


「これ、何かエンチャントかかってますね」

「装備できたら次は武器ですね」

目を白黒させている二人を放っておいて武器を取り出す。

石の剣・石の斧・石のシャベルと弓矢。


「ザシャ殿はそのままでいいですかね、カールさんどれでも好きなものを選んでください」


「た、戦うんですか?」

石の剣を選びながら、カールさんが聞いてくる。


「まさか。万が一のために装備してもらうだけですよ」

外に出ながら説明する。

「落とし穴でもつくってみようかなと思いまして。お二人には周囲の警戒をお願いします」

カールさんがホッとした顔をする。


あ、そうだ。

「ザシャ殿、盾とかあったら使いますか?」

騎士といえば盾だよね。


「あれば使わせていただきたいです」

「では少々お待ちください」


インベントリから【木の板】と【革】を取り出し、試行錯誤してみる。

「おおっ」

「こんな感じでいかがでしょうか」


凧型楯カイトシールドを作ってみる。

大柄ではないザシャくんには、大型楯ヒーターシールドより凧型楯カイトシールドかなと。

「持ち手の部分調整しますので、不具合があればいってください」

「大丈夫そうです!」

取っ手を握り、革のベルトで腕に固定する感じにしてみたけど大丈夫そうでよかった。


思ったよりうまくつくれたので、気を良くして大型楯ヒーターシールドもつくってみる。

「カールさん、とりあえず入り口の内側でこれ構えておいてください」

「は、はい」


縦長の大型楯ヒーターシールドを地面に置く感じで構えれば、万が一橋を突破されても、ゾンビの侵入を抑えられそうな気がする。

「では行きますか」




土塁の上から覗くと、ゾンビたちが木陰でわらわらしている。

まずは、最初に橋を架けたあたりの土塁に入り口をつくり、向こう岸へ橋を架けていく。


「カールさんは土塁の入り口をお願いします。ザシャ殿は一緒に向こう岸へ」

「わかりました」


ゾンビは若干慌ただしくなりつつも、こちらに向かってくる様子はない。

まだ、日没までには2時間近くある。


ザシャくんに周辺を警戒してもらいながら、スコップで手早く土ブロックを回収していく。

周りを気にしないで済むのは、やっぱり助かる。ぼっちだと全部一人でやらないといけないし。


橋の取付部周辺を、コの字に掘り、外側に土塁を設置していく。


土塁が2メートル、空堀が2メートルの簡易の楼門砦バービカンが完成。まあ、楼門砦バービカンは言い過ぎか。

ただ、空堀は落とし穴代わりにするので、土塁の一部は開けておく。


「こんな感じですかね、ではいったん戻りましょう」

「暗くなったら、おびき寄せるんですね」

二人で慎重に橋を戻りながら、軽く頷く。



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