同時突破
うまく上がってなかったので再アップしましたごめんなさい。
城門塔方面。
鬼防柵に篭った守備隊の長槍攻撃と城門塔上からの射撃、崖上から小烏丸配下による、弓式神の斉射。
矢を躱すだけならともかく、突撃を行いながら躱すというのは至難の技らしく、沼小鬼はどんどん数を減らしていく。
鬼防柵に守られているという安心感からか、元農奴たち守備兵による長槍攻撃も沼小鬼相手に効果を発揮している。
クッコロ騎士団の9名は、興里の鍛刀した巨大な日本刀を装備して、沼鬼5体と対峙。
時折、巨人同士の戦いにちょっかいを出そうとしてくる沼小鬼も、見張塔の上から繰り出されるリネイセルの正確無比の射撃により次々に倒れていく。
「数的有利を崩すな!」
それぞれ3対2、2対1、2対1、2対1。
賢者のフェデルマ指揮の元、戦闘を優勢に進めることができている。
正体不明の毒対策に、興里作の大鎧を用意する案も出たが、馴染んだ装備の方が良いということで防具については却下。
もともと露出の高い鎧ではなく、黒鉄の鎖帷子を着込んだクッコロ騎士団は、テンプレの台詞を口にすることもなく、巨大な大太刀を手に狂戦士のような形相で襲いかかる。
「グガァァァァァ!!」
「ヴォォォォォァ!!」
どちらがどちらの咆哮かも判別できないほどの狂気に満ちた戦いに、沼小鬼と対峙している守備隊は、心底アレが相手ではなくてよかったと考えながら、沼小鬼に槍を突き立てる。
当初の作戦では毒を警戒しながら慎重に攻撃するはずだが、双方ともに闘争本能を前面に押し出した激しい死闘が繰り広げられる。
再生能力により膠着しているが、エンチャントなしの日本刀が沼鬼の体を徐々に傷つけていく。
狂戦士状態のティテスたちも可愛い。
フェデルマはそんなことを考えながら、戦闘に加わらずに戦士を狂戦士状態にする《ヴァルキュリヤの歌》と、理性を繋ぎ止める《妖精のおまじない》を"同時"に詠唱し続ける。
二種類の異なる、そして美しい詠唱が周囲に響く。
フェデルマのエンチャント、《ヴァルキュリヤの歌》により、沼鬼たちを圧倒するクッコロ騎士団。
二体の沼鬼が倒れたところで、背後から大きな崩壊音が響く。
突然の轟音に集中が切れ、詠唱を中断させられたフェデルマが振り向くと、崩れた南側の壁の隙間から沼小鬼たちが堰を切ったように溢れ出してくるのが見える。
(ダイスロール(1D6)+2= [6] 合計:8)
(ダイスロール(3D6)+10= [4][3][6] 合計:23)
沼鬼8体に、沼小鬼が23体が背後から迫り来る。
「ちっ!」
いつも冷静なフェデルマが舌打ちをする。
挟撃イメージ
「モリガン! エーリウ!」
エンチャントの切れた戦場の三女神と戦いの三女神の筆頭を呼びつけたフェデルマが、それぞれを両腕に抱いて濃厚なキスを交わし合う。
「足止めしてこい」
一度エンチャントの切れたモリガンとエーリウの二人は《ヴァルキュリヤの接吻》を直接エンチャントされ、再び凶暴な雄叫びをあげる。
「「ゴガァァァァァ!!!!」」
二人の狂戦士を敵へ突撃させ、地面に光る魔法陣を顕現させながら三重の詠唱を開始する。
周りの守備兵や沼小鬼が見惚れてしまうほどの美しい歌声、いつもの無表情な顔を徐々に愉悦の表情に変化させながら性的興奮状態に没入していく。
女性のドイルド、ドイルダスは神と性的に交わることにより、高位の魔術を発露させることができる。
艶やかな吐息を吐きながら歌い、艶かしく身をくねらせながら踊り、神と交わる。
しばしのち、絶頂を迎える直前に詠唱を完了させる。
《まどわしの草地》
《大きくなぁれ》
《オーク木の守護団》
(ダイスロール(1D10)+1= [3] 合計:4)
一度に2つの高位魔術と1つの中位魔術を完成させたフェデルマが、連続した絶頂を迎えながらその場に卒倒する。
歌う月21
住人数についての報告
報告者:モットー ドリュアス
移住希望者:1名
半竜人(1)
住民総数:144
内訳:
招来者:5
人間:106
ドワーフ:9
吸血鬼:4
ハーフエルフ:3
ダークエルフ:3
熊猫人:2
人狼:2
猫人:2
白虎人:1
龍人:1
白熊人:1
エルフ:1
ドヴェルグ:1
戦狼人:1
半竜人:1
以上




