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おお魔王よ、死んでしまうとはお疲れ様です  作者: イマノキ・スギロウ
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第04話「モンスター創造」

「魔王城は出来たから次はモンスターを作るわよ。モンスターは創造魔法で造れるけど、あんまり負のエネルギーを一気に消費しようとすると強い個体ばかり出来る事なっちゃうから気を付けるように! モンスターが強すぎると、人間勢力が勝てなくなって、結果として負のエネルギーが増大することにもつながるからね。手間はかかるけど魔力を小分けにして雑魚キャラも多く作る事を心がけなさい」


「わかりました~」



~それから一週間後~


「せんぱーい、新しいモンスターができましたー♪」


 はぁ~、今度こそまともなのが来てほしいんだけど…、


「今度は何作ったの?」


「ピンクベアーのベアちゃんです」

「ガオー」


「却下!」


「え~なんでですか~?」


「どこの世界に赤いリボンを耳につけたピンクの熊と命懸けの死闘をする勇者がいるってのよ!?」


「でもファンタジーな世界なんですからこれくらいは…、」


「ファンタジーすぎるわ! つーかこれじゃファンタジーじゃなくてファンシーだろ!!」


「うぅ~、わかりました~、作り直してきます~」


あ~もう、結局一週間でまともに外に出せる許可が出せそうなモンスターが七色セットのクッションスライムのみとか、ほんとにあの子きちんと魔王としてやってけるのかしら?


 ふつう一週間もあれば、20~30種類はまともなモンスターを作って、もう数を増やす段階までいってる頃だっていうのに、


 Prrrrrr、Prrrrrr、Prrrrrr、


 あ、電話だ。


「はい、もしもし、魔王メアリーベルです」


「あぁ、メアリーさん、私です」


「邪神官さん? なに? 私に愛の告白?」


「冗談は置いといて、メアリーさんまずいです。人間勢力が神の制止を振り切ってもう勇者召喚の準備を始めてます」


「え? なんで? まだ人間側への宣戦布告はおろかモンスターの放流もしてないんだから目に見えて勇者が必要な脅威なんて彼らからしたらあるはずないのに…」


「どういうわけかそちらの世界の魔王城周辺を中心にして我々でも見たことのない、なんというか女の子たちの間でいうカワイイイ系とでもいうようなモンスターが発生しているみたいなんです」


ん? なにか信じたくない単語と頭の中の情報が一致しそうだ。


「おまけにそれが異様に強いらしく、討伐に向かった騎士団が壊滅した国まで出てしまい、「世界の危機だ!」と各国の王達が考えてしまい、そのまま勇者召喚が早まってしまったようです」


 そういえば、最初にデスフレアが作ってた個体って加減が分からず、中ボスクラスの奴をポンポン作ってたような……、


 まずい、嫌な予感がする。


「なのでメアリーさん、もしかしたら業務に支障がでるかもしれないので気をつけてくださいね」


「…ありがと邪神官さん♡」


電話を切った私は即座に行動に移った。


「デスフレア! ちょっとこっちおいで!」


「は~い、なんですか?」


「あんた、いままでに作ったモンスターはどうしたの?」


「え? それならちゃんとお部屋を用意してご飯も出してますよ」


「ちゃんと全部いるか確認してる?」


「あ~、はい、それは、しっかりと…、」


「本当は?」


「ご飯当番は手持ちの使い魔ちゃんに任せてて確認してませんでした」


「今すぐに全部の部屋を確認するわよ!」


 結局、嫌な予感が当たった。


 使い魔たちは言われた事は忠実に守るが、それ以外の事はまったくといっていいほどしない。使い魔たちはご飯を部屋に届けろとは言われていたが、モンスター達が部屋に居るかどうかに関しては一切感知していなかった。 結果全ての部屋はもぬけの殻だった。


「デ~ス~フ~レ~ア~!」


「ご、ごめんなさい~」


「ごめんなさいで済むか!!」


「わ、私、どうしたら…」


「もう手遅れよ、人間たちが勇者召喚の準備を始めちゃったわ。今からじゃ勇者がレべリングをする分のモンスターを揃えるくらいがやっとで十分に負のエネルギーを消費し切るのには到底間に合わない、減給確定ね。いや、最悪ボーナスなしかも、」


「そんな~」


「………はぁ、一つだけ、方法がないこともないわ」




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