トンネルの成長かんさつ記ろくノート④
1月4日(月) 晴れ
トンネルは、じゅんちょうに大きくなっている。
直径も、昨日よりまた少し広がって、一円玉くらいになった。穴のまわりにあるカチカチの種の部分は、もうほとんどのこっていない。ぽっかりあいた穴のまわりに、種ののこりが、ほんのちょっぴりこびりついているだけだ。
そして、トンネルは、昨日よりもおくに深く育っている。さいしょの種のおく行きよりも、長いトンネルになったように見える。じっさい、トンネルにおくまで指をつっこんで、トンネルの横や上から見てみると、指が、と中で消えてなくなっているように見えるのだ。まるで手品みたいだ。
そうやって、なんどかトンネルに指をつっこんでいると、あるとき、指の先に何かがさわったので、指をぬいて、トンネルのむこうをのぞいてみた。すると、トンネルのむこうに、すごく小さな、人間のようなものがいた。どれくらい小さいかというと、それは、ミツバチくらいの大きさだった。その人間のようなものは、ガラスざいくみたいにすきとおった体をしていて、こっちがトンネルをのぞいたら、びっくりした顔をして、にげて行ってしまった。ピンセットとかがそばにあったら、つかまえられたかもしれないのに、ざんねんだ。今度から、ピンセットをよういしておかなければ。
今日は、お供えにするわっかも筒も、ちょうどいいものが見つからなかったので、家にあった色画用紙を丸めて、テープでとめて、手作りの紙の筒をトンネルにあげた。
明日は、いっしょにさいばいキットを買った友だちと、おたがいのトンネルを見せあいっこしようと約束している。ほかのみんなのトンネルは、今、どれくらいの大きさに育っているのだろうか。