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『いったい、どうすればいいんだろう。』

 そこまで書いて、トンネルの成長観察記録をつけていた男の子は、ノートを閉じた。これ以上、何をどう書けばいいのか、書くべきことが、もう何も見つからなかったからだ。

 男の子は、自分の部屋を出ると、テレビのある居間へと移動した。あとちょっとで、いつも観ている夕方のアニメが始まる時間だった。男の子は、テレビの前に座り込んで、リモコンでテレビをつけ、チャンネルを合わせた。

 観たいアニメが始まるまで、あと五分。この時間、このチャンネルでは、いつも五分だけの通販番組を放送している。その番組が、ちょうど始まったところだった。

 画面の中に、今週紹介する商品が映し出される。

 その商品を見て、男の子は、はっとした。

 小さな箱に入った、その商品のパッケージは、お正月に買った、あの「トンネル栽培キット」のパッケージと、そっくりだったのだ。違っているのは、箱の色だけだった。色違いのパッケージに包まれたその商品は、どう見ても、「トンネル栽培キット」と同じ販売元から売り出されている、姉妹品だとしか思えなかった。






『さあ、今週も始まりました。テレビショッピング「S・F (すこし・ふしぎ)」のお時間です。今日ご紹介する商品は、こちら。その名も「生け贄栽培キット」! アリより小さな生け贄から、クジラより大きな生け贄まで、どんな大きさでも思いのまま、初心者でも簡単に生け贄を育てることのできるキットです。今回に限り、生け贄の成長速度を劇的に速めることが可能な、オリジナルの特製成長促進剤をおつけして、驚きのお値段は、なんと――……』


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

このお話以外にも、「心あたたまらない童話」をあと2つ、冬の童話祭2016に提出しておりますので、もしよろしければそちらもどうぞ。

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