このクラスの面々から見た外の世界の恋心
それは高校3年生の夏ー夏期講習へ向かおうとしている僕の目の前に突然起こった出来事だった。
これは県立音乃芽学園で起こった様々な日常を1話完結で毎回様々な視点から描かれる物語である。
『塾通いの少年が夜空を眺める不思議な少女に出会う』
ー暑い、時は8月中頃。僕、林原 希里下〈はやしばら きりか〉は県立の高校に通う高校3年生だ。
大学受験という過大なプレッシャーと戦う毎日である。
そして僕は塾へ行く道の途中、あの少女と出会ったのだ、
『よし、今日の授業はここまで。』
ーきりーつ、れーい、ちゃくせきー
僕はこの授業授業の合間が大嫌いだ。人間たちが勉学から必死で逃げようとしているこの瞬間・・・・。
人間はどうして好き嫌いという一時の感情ですべてを判断し、その場に任せるのか。僕にはどうしてもそれが理解できなかった。
そんなことを考えながら自転車通学で1時間の学校から更に30分かけて塾へと到着。
僕がここで勉強するのには少しだけ理由がある。
「(ーお、今日も来てるな・・・よかった)」
この塾の生徒の中でも一際目立つ少女 姉三谷 ほのか〈あねみや ほのか〉さんだ。
彼女は名門の女子高に通っていて、その上成績優秀、運動は完璧ときたもんんだ。
ー彼女が好きなの?
と聞けれれば僕はそれを否定することが出来ない
だけど僕には足りない・・・・あの人ほのかさんに話しかけるに値しない人間なんだ。
けどそのちょっとした自虐が僕に転機をくれた。
めずらしく学校に塾の教科書を忘れてきてしまった
そして隣の席はほのかさん。
「先生ー、教科書忘れてきてしまったみたいなんですけど・・・」
すると担当講師 三橋 加月〈みつはし かげつ〉先生が
「あ?おまえが忘れるなんて珍しいじゃないか林原ァ・・・まぁ特別に見逃してやろう。んーそうだなァ・・・・おーい姉三谷、おまえ隣だから林原に教科書見さしてやっちゃくれねーか?」
な、なにいってんだこの男はああああああああ!!!!!!
そんなの無理に決まってんだろ!俺に羞恥プレイの趣味はねええよ!!と一人内心で焦りまくっていた自分に対しほのかさんは、
「はいっ、いいですよ先生」