おしゃべりな晩餐会
何か夢を見たような気もするが、どんな夢だったか思い出せない…。
そろそろ晩餐会に向けて着替えをしなくては。使用人に手伝ってもらいながらドレスを着替えた。
食堂へと案内されると、ちょうど主人も食堂に入ってきたところであった。席に着くと主人が椅子を引いてくれた。そして二人とも着席した。
出来立ての食事が運ばれてくる。グラスにワインが注がれる。美しく並べられたテーブルセットや給仕するときの一挙手一投足から、この屋敷の人々が客人をもてなすことに心を尽くしているのが伝わってくる。
主人が歓迎の言葉を述べて乾杯をした。わたしたちは食事をしながら、いくつかの言葉を交わした。昨日の昼間に会った時よりも顔の皺が深く、気難しそうに見えるのは食堂が少し暗いからだろうか?
主人は口数が多い方ではなかった。どちらかというと話を聞く方が得意なのかもしれない。わたしは気まずい沈黙を恐れて、いつもより雄弁であったけれど、主人はゆっくり柔らかな相槌を打ちながら、どんな話も興味深そうに聞いてくれた。時折、あの澄んだ瞳がわたしを捕らえて、一瞬言葉が上手く出てこない時もあったけれど…。
こうして晩餐会は終わった。部屋に戻ってドレスを脱ぎながら、冷静になったわたしは落ち込んだ…。こんなよく喋る女性を、あの物静かな主人はどう思っただろう…。




