1-7 助っ人は2人の少女
右手のカトラスを振り下ろす骸狂王。
「っ!?」
ギリギリで避けきる。しかしバランスを崩した俺に対し、左下の四指手の槍で容赦無く突いてくる。
「よっ! っと」
辛うじて、鉄の短剣で槍の軌道をずらして凌ぐ。
「アリス! 攻略方法を教えてくれ!」
『解答。しばらく攻撃を凌いだ後、右眼にある宝石に攻撃を当てればダメージを与えられます。それを繰り返してください』
「簡単に言ってくれる」
だが、装備しているブラックホール・サンダーボルトのお陰で霊力も魔力も回復してるので、作戦さえ出来れば、何とかなる気もしてる。
「?なんだ? 何をする気なんだ?」
骸狂王のカトラスに黒い炎が、七支刀に黒い稲妻が走り、2つの剣を重ねるように持ち上げ、一気に振り下ろす。
「!? やベぇ!!」
黒い炎と稲妻の斬撃が放たれる。
「!!」
何とか避けきるが、体勢を崩す。しかも奴の狙い通りだったらしい。
奴の6つの武器から斬撃という斬撃が幾重にも放たれる。
範囲が広すぎて避けきれそうになく、威力が高すぎて防ぎきれそうにない。
「ガァッ! グゥッ!」
「ハァ ハァ ハァ」
やはり避けきれず、幾つかは喰らってしまう。
「? おいおいマジかよ」
先程の黒い炎と稲妻の斬撃の構えをしている。
今度は避けきれそうもない。
放たれた黒い斬撃に、2度目の死を覚悟する。
(あの時と同じ。タダ死ぬだけだ)
そして、斬撃が目前まで迫った瞬間だった。
?「空裂断!」
謎の声と斬撃が現れ、俺の命を刈り取ろうとした斬撃を相殺する。
更に、さっき聴いた声がする。
?「ギガ・ヒール!」
その声が聴こえると共に俺の怪我が治っていく。
フローラ「シオンさん! 無事ですか?」
「あっ、ああ」
何が起きてるのか理解しきれず、呆然としていると、銀髪を右側で纏めており、翠玉色の瞳を持つ無表情な少女が声を掛ける。
?「君が、シオン・クロスロードか。先程は命を救ってくれたと聴く。ありがとう」
「いや、こっちこそありがとう」
ティファ「ティファ・グランシェールという。ティファと呼んでくれ」
「ああ、分かっ……」
フローラ「ティファさん! シオンさん!」
「「!?」」
どうやら骸狂王が体勢を直したらしい。
そして、知る事になる。何故奴が骸狂王と呼ばれるのか、そしてスケルトンズロードと呼ばれるのかを。
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