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短編

いつも通り

作者: 見伏由綸

ーこのまま二度と目が覚めなくてもいいのにー


起きるとそこはいつもの自分の部屋。

とっくに朝ではなくなっているのもいつものこと。

いつも通り学校に行きたくなくて、起き上がる気力も湧かない。

それでも起きてリビングに行くと、お母さんがいる。

いつものことすぎて、遅起きに何も言わないお母さん。

お昼頃になると一緒にお昼ご飯を食べる。

おやつの時間になって、今日は学校に行くの?とお母さんに聞かれる。

どうしよっか迷ってるといつもと同じ返事。

じゃあ買い物に行ってくるから。

そう言ってお母さんは出かけて行く。

家に一人になっても特段何をしたいわけでもない昼下がり。

いつもと同じようにぼうっとしながら暑さに茹でられていく。

帰ってきたお母さんが晩御飯を作り始める。

今日一日何もできていないことを後悔して自分を責める。

一方で、いつも通り明日も学校行きたくないなと思い始める。

お父さんと兄さんが帰ってくる。

家族でご飯を食べながら、今日あったことなどを話していく。

それを聞きながら、いつも通り何もなかった一日を振り返り虚しくなる。

食器の片付けを手伝って、お風呂を入れて、入って。

寝る準備ができても寝る気になれないのもいつものこと。

今にも閉じそうな瞼を無理矢理に開けて、ただスマホを眺めている。

結局寝れないままだんだんと外が明るくなっていく。

今日こそは学校に行かなきゃ、いつものようにそう思って。

街が動き出した音を聞きながら瞼が閉じていく。

いつもと何も変わらない昨日が終わって。

目を開けたらまた同じ今日がやってくる。


だんだんと起きることさえ嫌になってくる気持ちだけが、過ぎた月日を感じさせるのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました。


変わり映えのない毎日。

そんな時期があってもいいのではないかと思う今日この頃です。


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