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生きる世界と冒険譚  作者: 山田浩輔
ウィダー諸島編
60/78

第10話 囮と迎撃

[カラクリ人形]

ドワーフの作り出した可動式人形、手足の動き、歩幅、回転数、全てを調整ができる、しかし数が少なく、作れる技術者、素材も少なく希少である。

 「暇っすね〜トランプしません?」

 ラルクがユリアとアストラに話しかける。

 「今は仕事中だし、それに」

 申し訳なさそうにユリアが断っているとアストラは被せるように話す。

 「無視でいいです、いつもこんなこと言ってるんで」

 相変わらず無表情のアストラであるが言葉には少し棘が含まれていた。

 「ちぇ〜、でもここから出るか...おっと、出てきたっすよ」

 一軒家からローブを被った状態で飛び出すと走り出す。

 「追うか、ユリアさんはここで待機しといてください」

 

 ラルクとアストラは走りだす。

 「こっちに気づいたのかな?」

 「そうだね、今はとりあえず追うとして...止まれ」

 急に立ち止まりアストラは後ろ姿を確認する、人気のない路地で一人、武器を取りだしながらも距離を少し取る。

 「ラルクは絶対攻めないでね、面倒なことは避けたいから」

 「俺をなんだと思ってるんだよ...」

 「能無し」

 ラルクは頬を膨らませながら怒りを表現するがアストラは無視する。





 「動かないッスね」

 ラルクが銃を相手に撃ち、足に命中し倒れる。

 「なんでそこで銃を出す、バカか」

 アストラがラルクの頭を叩くとラルクは頭を抑える。

 「動けなくして拷問でもすれば情報が出るかもじゃないッスか〜」

 「音で人が集まるだろ、まあいいや、縄で拘束を......」

 アストラが言葉を止めるとラルクは首を傾げる。

 「どうしたッスか?」 

 「動いてない、痛がるそぶりどころか受け身すら取らなかった、まずいかもしれない」

 アストラは首に縄を架けながらも顔を確認する。

 「カラクリ人形...」

 「マジっすか〜、騙されちゃったっすね〜」

 ラルクは残念そうにするがアストラはことの重大さに冷や汗をかく。

 「カラクリ人形をココまでの距離を走らせるのは難しい、一歩一歩の歩幅、数、足の向き、地図を使ったとしてもこんなふうにするには難しい、相当な技術者がいる、そして可能性としては二つ...一つはユリアさんが危ないかも....もう一つは...」

 「もうひと——」

 ラルクがアストラに聞こうとした瞬間に首にワイヤーがかかり宙吊りになる。

 「付いてきてたか....」

 アストラは武器を構えると物陰から深くローブを被り仮面をつけたルカが現れる。

 「結構冷静ですね、お仲間は助けなくて大丈夫ですか?」

 ルカはニコリと笑うがアストラの表情は全く変わらない。

 「バカにはこれくらいの薬が必要だからね、まあそのバカに効くとは思えないけど」

 アストラがラルクに目をやると次の瞬間にワイヤーが外れ、鉄格子が地面に落ち、金属音が鳴り響く。

 「根本から外したんだ? 会話を聞いてるとバカそうだけど」

 ラルクは膝をついたまま深呼吸をするとゆっくりと立ち上がる。

 「俺は生命力に関しちゃ高いんだぜ? 舐めてもらっちゃあ困るな」

 

 「ふーん、まあいいですがね」

 ルカはクロスボウを取りだし射撃を撃とうする。

 「ファイア」

 次の瞬間にラルクがルカのクロスボウを撃ち落とす。

 

 「遅いッスよ、取り出されても十分間に合う」

 「射撃が得意なようですね、ですがもう十分です」

 ルカが紐を引っ張るとワイヤーが拘束でラルクの首を狙う。

 「うお!」

 ラルクは避ける動作もできずにいるとアストラがラルクを突き飛ばす、ラルクが尻餅をすると同時にアストラの右手が落下し、血が広がる。


 「痛い」

 アストラはそう一言、声色は一切変わらずルカを見つめている。

 「腕を失った割には冷静ですね」

 あまりの反応の鈍さにルカは動揺するがアストラの腕の切断面から血が出なくなるのを見ると納得したような顔をする。

 「リーデットですか、しかも相当肝が座ってるようだ」

 「プロのスパイは腕を失っても冷静さを失わない、リーデットならファイア」

 言葉を一切途切れさせずにアストラはホルダーに銃を入れたまま銃を撃つがルカは鉄板を蹴り上げて盾にし、銃弾を防ぐ。

 「奇襲型の飛び道具ですか、初見だったら死んでいたかもしれませんね」

 鉄板が倒れ、姿が見えると同時にルカはクロスボウを連射する。

 「うおっ!!」

 二人は別方向に走り出し物陰へと隠れる。

 「どうするんスか?」

 ラルクが声を上げると冒証が点滅しだす。

 「....了解っす!」


 ゴミステーションの蓋を外すと盾にし銃を撃ちながら正面を走り抜けるがルカはニヤリと笑うと壁の板が一斉に落ち、弦を引かれたクロスボウが一斉にラルクを襲う。

 ラルクはうつ伏せに倒れると正面に蓋を構える。

 「あっぶねえ...」

 「ラルク、避けろ!」

 ラルクが蓋を構えるのをやめ、正面を見ると既にルカは目と前にまで近づいていた。

 ラルクはすぐに立ちあがろうとするがルカに顔面を蹴り飛ばされ、気絶するとルカはラルクの銃を奪う。

 「これですか、ぜひ詳細を知りたいものですね」

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