幼さと無邪気
「俺も教会から目をつけられてんだ、そこでだ、俺と協力しないか?」
「...俺はお前と殺し合いをしたんだぞ? 協力する気はないしそもそも信用ができない...」
ウィリアムが仕込みナイフを出す準備をする。
「まあ聞けよ、確かに精霊の言う通りなら俺らは殺し合いをせざるおえない、でも冷静に考えたんだ、俺らが協力、さらに言えば他の精霊の信者だって分け合えばいいさ、だって解放される前までそもそも力なんてなかったんだからどっちにしろ増えるだろ?」
ウィリアムは少し考えると構えるのをやめてミメーシスに声をかける。
「構わないのか? 俺は戦わなくて済むんなら戦いたくはないんだが」
(.......構わない、教会を潰した方が信者を確保できる、そいつと一時的に手を組んでおけ)
「そうだな、とりあえずミメーシス、マークに声が聞こえるようにはできないのか?」
そう言うと目の前がピカッと輝くとマークが頭を抱える。
「おお.....! これが精霊の声か!?」
マークの言葉にウィリアムは少し疑問に思う。
「なんだ? お前だって空間の精霊と会話できるんじゃ...」
(我は他の精霊とは違う、模倣で声帯を作りお前に会話している、他の精霊は言語化は一切してない)
「なるほど、他のとは一味違うってわけか...」
(しかしそこはどうでもいい、それよりもこれからについてだ)
「そうだったな、じゃあ手っ取り早く言うぜ、教会が機能できないほどにめちゃくちゃにする、俺らの邪魔ができないほどにな!」
「...勝算は?」
「俺の強さは知ってるだろ? 勝てる勝てる!」
ウィリアムは怒りと軽蔑の心を奥底に閉じ込め笑顔を作る。
「いいぜ、よろしくなマーク」
そうして、ウィリアムとマークは協力することとなった。
「この方は?」
フォルトが変装したマークを指差すとウィリアムが答える。
「この人はマルク、この村唯一の生き残りだ、俺たちに協力してくれるそうだ」
「そうですか...よろしくお願いします」
結衣がぺこりと頭を下げるとマークも頭を下げる。
「よろしくお願いします」
マークも挨拶をすると4人は帝都シードルへと向かった。
〜数日後〜
帝都シードル
「奴らです! ウィリアム達です!」
一人の騎士がウィリアム、結衣、フォルトが乗った馬車を視認し声を上げる、すると周りはそれに反応し武器を構えるが次の瞬間に機関銃の音が鳴り響く。
鉛の雨が降り注ぎ地面は血だらけ、悲鳴が鳴り響き阿鼻叫喚の地獄絵図。
「これは...ひどいですね、これが古代兵器の力ですか...」
あまりに酷い光景にフォルトは口を抑えていると飛行機がゆっくりと高度を落として、馬車に向かう。
「よっと!」
ウィリアムは飛行機の降着装置を掴むとそのまま巨大なステンドグラスを突き破り教会内へと入る。
ウィリアムは受け身を取りすぐに起き上がるとすぐに戦闘が始まる。
騎士が2人、同時に斬りかかりウィリアムは宙返りをしながら後ろに飛ぶと左手で身体を支えながらウィリアムは剣を振り下ろすがプレートアーマーがウィリアムの攻撃を防ぐ。
正面の騎士は横一文字、右方向の騎士は刺突の動作を行いウィリアムの右足を狙う、ウィリアムは攻撃を避け、後ろに飛ぶとガソリンの入った筒と魔力結石を投げると声を出す。
「ファイア!」
魔力結石が反応し、炎が一瞬だけ上がったがガソリンに引火すると一気に騎士が火だるまになる。
「ぐううううう....」
力無く声を発するとその場に倒れ力尽きる。
「よくも!!」
騎士の顔は見えないが怒りながら背中のバスタードソードを引き抜き、剣を構えるがウィリアムは左手を前に構えるとピンを引き抜く。
「ファイア!」
腕の穴から弾が飛び出ると剣の切先にあたり騎士は転倒する。
「ぐが...!!」
ウィリアムは騎士の上に馬乗りになると騎士の脇元にナイフを突き刺し、そして捻りながら抜くと、そこに魔力結石突っ込むと走り出し詠唱をする。
「ウィンド!!」
すると騎士が痙攣し出し鎧の隙間から血が吹き出す。
息を切らし、肩で呼吸しているとマークが声をかける。
「結衣とフォルトが来たみたいだ、そんじゃあ俺たちもそろそろ奥に向かうぜ!」
マークはどことなく楽しそうに話す。
「それじゃあ向かうか...」
ウィリアムは力無く返事をすると奥の扉を開ける。
ドアを開けると一人の女がぴょんぴょんとその場で跳んでいる、ウィリアムが剣を出そうとするとマークが止める。
「ここは俺....僕に任せな、あなた方は先に行ってください」
「それは少し危険じゃ...」
結衣が考えを否定しようとするがウィリアムが止める。
「ここは任せたぞ、マルク」
マークはゆっくりと小女に近づくと声をかける。
「あなたは何者だ」
返事はない、部屋の中で一人、くるくると回ったり、その場で足踏みをしいぇいる、ウィリアム達は痺れを切らし女の後ろにある扉に迂回しながら進むと突然女はウィリアム達に走り出す。
「あぶねえ!」
マークは指をなぞると重力場を発生させ女を引き止めるとウィリアム達は扉の奥へと進んでいった。
「へえ、油断させるとは怖いねえ、嬢ちゃん、俺とやろうか?」
マークが指をクイとさせ挑発すると女は笑う。
「あなたのその能力...指名手配犯のマーくんかな?」
女の顔には邪気など感じさせない、あどけない純粋な笑顔でニコニコしている。
「私の名前はサティ! 癒しの三神器なの!」
「にっひひ、面白そうじゃあねえか!」




